新潟県三条市の滝沢亮市長のひと言がきっかけで、三条市下田産サツマイモのブランド「越紅(こしのくれない)」を使った 「越紅タルト」が誕生した。
開発したのは、ことしでちょうど創業70年になった有限会社栗林菓子店(栗林幸史社長・三条市月岡1)で、店舗「菓子工房クリュ」を経営する。
ことし4月に開かれた三条商工会議所女性会の設立総会に会員として出席した栗林菓子店の取締役、栗林茜さん(54)が滝沢市長に高速道路のサービスエリアや道の駅オリジナル商品を販売していることなどを話しているときに、滝沢市長から下田産のサツマイモを使った三条市をPRする菓子を作ってほしいと提案された。
会社としても三条産のシャインマスカットや日本酒などを使うなど、三条の材料を使った商品を作りたいとの思いがあり、さっそく開発に乗り出した。
三条商議所にペースト状になったものがほしいと打診し、何件か紹介もしてもらったが時期的に入手が難しいうえにコストなどが折り合わず、一度は断念した。しかし偶然、サツマイモの加工をしている人と知り合って納品してもらえることになり、開発を再開した。
栗林茜さんは滝沢市長に完成を報告し、「市長がきっかけで製品化に至ったことは、わたしたちもとてもうれしく思っている」と感謝した。
下田産のサツマイモは水分が多くて、糖度も高いと言う。水分を抜き、あんも加えてバランスを整え、試行錯誤した。それでもサツマイモはしっとりと柔らかく、コクのある味わいになった。
滝沢市長は「よそへ持っていく土産の種類が増えるのはうれしい」と喜んだ。試食して「イモだけどイモ過ぎず」、「サツマイモの菓子はサツマイモ感を出し過ぎてくるのがあるが、これはちゃんと洋菓子としてのバランスがすばらしい」と絶賛した。
栗林さんは「タルトだけでなく、ムラサキイモもあるので、ほかの製品も考えている。全国の方に越紅を知っていただきたい」と話した。店頭では10月15日に販売開始。問い合わせは栗林菓子店(0256-32-1744)。