新潟県三条市の三条市医師会(田中吉明会長)は26日、帯状疱疹(ほうしん)予防ワクチン接種費用の助成を滝沢亮三条市長に要望した。
帯状疱疹は免疫力が低下すると水ぼうそうのウイルスが再活性化し、皮膚に激しい痛みを伴う水ぶくれや赤い発疹(はっしん)ができる。50歳から80歳までに3人が1人が発症する。最近は新型ウイルス感染者で発症率が高いという報告もある。
帯状疱疹予防ワクチンは発症率を低くし、重症化を予防できることから接種が推奨されている。しかし、予防効果に優れた乾燥組替え帯状疱疹ワクチンは1回の接種費用が2万円から2万5千円、2回の接種完了に4万円から5万円と高額な負担がある。
そのため2020年に愛知県名古屋市で接種費用の公費助成が始まり、ことし5月には全国で200を超える自治体が公費助成を導入している。新潟県内では導入が遅く、すでに導入した自治体は南魚沼市だけにとどまっている。
26日は市役所で田中会長から滝沢市長に要望書を手渡した。滝沢市長は市長就任前の2018年に帯状疱疹を発症し、知り合いが帯状疱疹が顔に出て大変な思いしたことを話した。
滝沢市長は「前向きに考えるが、補助の規模は全体の予算もあるので、こちらでもませていただきたい。議会でも公費補助の質問があり、十分、認識している。来年度の予算案でお示しできれば」と述べた。田中会長は「新潟県でいちばんでやりたかったんですけど」と言い、「市民の健康増進のためによろしくお願いします」と早期の実現に期待した。