総務省が主催する「地域のお困りごと解決に向けた郵便局等との懇談会」が27日、新潟県三条市で開かれた。地域の埋もれた困りごとを行政相談につなぎ、郵便局や地域のキーパーソン、市町村、行政相談委員等が課題解決に向けた議論を行う取り組みで、ことし6月に全国で初めて愛媛県宇和島市で開かれ、三条市が2例目となった。
行政相談委員は、総務大臣が委嘱する民間有識者。 国民の身近な相談相手として行政への苦情や行政の仕組み、手続きに関する問い合わせなどの相談を受け、相談者に助言したり行政に知らせたりする。
新型ウイルス禍で対面で相談を受けることが難しくなったことから、総務省新潟行政評価事務所は全国に先駆けて行政相談ボックスを考案し、2020年から県内の公共施設やタクシー会社、福祉施設、大学へ設置を進めた。
22年6月に田上町内の初めて郵便局に設置したが、三条市内の郵便局長がその橋渡しをしてくれたこともあり、三条市で2例目となる懇談会を開いた。
懇談会は三条市図書館等複合施設「まちやま」で開き、総務省や市内郵便局長、行政相談委員、三条市職員など20人が出席。総務省関東管区行政評価局の砂山裕局長は「お困りごとを共有していただき、解決に向けたアイデアを出していただき、実りある会議にしてほしい」とあいさつした。
滝沢亮市長は「市役所はどうしてもすべてのお困りごと、課題はキャッチできない。仮にキャッチできても対応迅速にすべてできるわけではない」とし、意見交換でこれまで以上に顔が見える関係になり、実際の解決に向けた懇談会になるのでは」。
懇談では、三条市内の3つの郵便局、三条市、社会福祉協議会、道の駅 漢学の里 しただ、市内4人の行政相談委員からお困りごと12件が提案され、そのうち郵便局の空きスペースの活用、地域公共交通など3件について検討した。