新潟県三条市の伝統の凧(いか)合戦で 「ララちゃんの凧をあげたい!」と、三条市立一ノ木戸小4年・永井彩晴(あやは)ちゃん(9)は、アミューズメント施設のキャラクター「ララちゃん」が夢を手伝う企画で、オリジナルの凧揚げと父との対戦の夢をかなえた。
大型ショッピングセンターで子ども向けの遊戯施設を運営する(株)イオンファンタジー(千葉県千葉市)は、ファミリーアミューズメント「モーリーファンタジー」の人気キャラクター「ララちゃん」が子どもたちから募集した夢の実現を手伝う企画 「ララゆめ 〜ララちゃんが夢をおてつだいします!〜」を行っている。
2003年のスタートからこれまで300を超える夢を実現している。ことしは全国から応募のあった2000を超す夢のなかから、彩晴ちゃんを含む20人の夢が選ばれた。彩晴ちゃんの夢は「三条市の凧合戦でララちゃんの凧をあげたい」。
三条凧協会会長で須藤凧店を営む須藤謙一さん(56)が「30枚ド」と呼ぶ縦212×横173センチの三条伝統の六角巻凧に彩晴ちゃんがララちゃんなどをデザインした下絵を描き、彩晴ちゃんが色を塗って完成させた。
彩晴ちゃんの父は三条凧合戦に参加する凧組のひとつ「三条越路組」の揚げ師、会社員一俊さん(44)。入会8年目になり、揚げ師というより凧のメンテナンスや調整の裏方で貢献している。
対戦の舞台はこの日、三条防災ステーションで行われた三条凧協会主催三条凧合戦秋季大会のなかの「こども凧合戦」。彩晴には揚げ師も加勢して、一俊さんと一騎打ち。会場を訪れたララちゃんも応援した。
秋晴れの青空を舞う彩晴ちゃんの「ララちゃん」と一俊さんの「金太郎」の2つの凧が糸を絡めて空中戦を繰り広げた。
1回戦ではいきなり彩晴ちゃんが一俊さんの凧糸を切って3点を獲得して大喜び。一俊さんの凧は穴も開くなど苦戦を強いられた。その後も彩晴ちゃんが得点を重ね、結局、彩晴ちゃんが7-1で完勝した。
彩晴ちゃんは「お父さんに勝ててうれしい」と喜び、「ここまで凧を揚げるの初めてなので楽しい」と凧揚げの魅力を体感していた。一矢報いるのが精いっぱいで形無しだった一俊さんは「うちの子は将来、有望かも知れない。ぜひ三条越路組にお願いしたい」と負けてなおうれしそうだった。
また、三条凧合戦秋季大会は23組が出場し、東三条五月会が最高得点優勝を飾った。東三条五月会はことし春の三条凧合戦では将来を見据えてあえて若手を多く起用したこともあり最高得点優勝を逃し、10連覇でストップしたが、さっそくこの秋季大会で最高得点優勝を奪取。新たな東三条五月会の時代に向けて視界良好だ。成績表は次の通り。