新潟県三条市でサッカーやフットサルの振興を図る三条市サッカー協会(岡本康佑会長)は29日、三条市内にない全天候型の人工芝のグラウンドの整備などを求める署名7,151筆を集めて滝沢亮市長に提出した。
協会役員やユニホームを着た市内9つのサッカーチームに所属する小中学生11人が積み上げると高さ20センチ以上になる署名を分けてひとりずつ順番に「よろしくお願いします」と滝沢市長に手渡した。署名は市内4,753筆、市外2,398筆の内訳。
三条市内では天然芝のグラウンドの整備は進んだが、人工芝のグラウンドはない。県内でも大会が人工芝のグラウンドで行われることが増えている。市内大会を勝ち抜いたチームが上位大会で初めて人工芝でのプレーを体験することが多く、政令指定都市や中核市のチームに大きく水をあけられている。
天然芝は養生のため利用制限があり、雨が降るとすぐに使えなくなる。活動場所の確保にも困っている。子どもからおとなまで市民がけがを恐れずに思い切りサッカーができるよう人工芝のグラウンド整備とあわせてナイター照明や観覧の設置など既存施設の整備などを求め、「三条市でのサッカーにおける環境整備を求める請願書」への署名をことし6月から本格的に集めた。
となりの燕市では、2016年に燕市議会が人工芝やナイター照明の整備されたサッカー場を求める請願を採択。ことし6月の定例会でようやく基本構想策定業務委託料500万円の補正予算を可決した。
三条市サッカー協会では、月岡地内の三条市総合運動公園内にある天然芝のコート2面のうち、1面の人工芝化が念頭ある。
田巻宏理事長(66)は「三条市のサッカー人口は約900人。協会役員から指導者を通じて広く皆さんに声をかけ、理解をいただいて『まちやま』で行われたイベントの一角も借りて署名を集めた」と話した。
鶴巻佑也事務局長は「三条はありがたいことに天然芝のグラウンドがめちゃくちゃ多く、これは関東からみるとすごく珍しいこと」、「冬は天然芝を休めるために人工芝を使い、いい大会の決勝、準決勝は天然芝でやるのが理想。天然芝も生かしながら人工芝を整備してほしい」との考えを示した。
滝沢市長は「予算も検討したうえで、どのような形になるか考えていきたい。今後もそういうどういうやり方でできるか、どれくらいの時間がかかるのが皆さんと相談していきたい」。子どもたちに発言を求めて自ら退路を断ったようにも思える滝沢市長は、実現に前向きだった。