新潟県三条市は2日、10月1日からのふるさと納税ルールの見直しを理由とした寄付額の増加は現時点では行わないことを決めたと発表。「三条市健全経営、ふるさと納税ルール改定でも値上げしま宣言」した。
改正では、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も 含めて寄附金額の5割以下とする募集適正基準が改められた。
自治体によっては付随費用を含めると、返礼品を含む経費が寄付額の上限50%の基準を超えてしまうため、寄付額の値上げなどの対応を迫られるところがあった。
しかし、三条市ではそうした「隠れ経費」と呼ばれる経費もすでに経費として計上している。現状では経費は寄付額の50%を下回る46%となっているため、新ルールに伴う値上げは行わない。
ただ、全国的に値上げ前の駆け込み需要があり、三条市も例外ではなかった。9月の寄付額は昨年の3億6千万円に対してこの9月は速報値で11億7千万円となんと3倍以上にのぼった。
1カ月間の寄付額は年末の12月がピークで、それ以外の月で10億円を超えたことはなく、担当部署は「てんてんこまいだった」と言う。
三条市は2021年10月に澤正史CMO(最高マーケティング責任者)を民間から迎え、昨年4月からは職員直営体制のもとでチームを編成。ふるさと納税推進チームが事業を主導し、20年度は7億円だった寄付額を昨年度は50億円に伸ばしている。
昨年度の実績はとなりの燕市が約55億円で県内トップだったが、燕市でも先の同様に値上げしない方針を示している。