介護福祉士だった渡辺尚子さん(55)=新潟県三条市=は、JICA海外協力隊として12月から2年間、ブラジルへ高齢者介護の任務で派遣される。「シンパシーをもってニーズに応えられるように活動したい」と渡辺さんは見知らぬ土地での仕事をイメージを膨らませている。
任地はブラジルの主要都市、サンパウロから車で1時間半ほどのサンパウロ州グアルーリョスにある特別養護老人ホーム「あけぼのホーム」。ほぼ日系人の37人が入居しており、そこで介護福祉士として働く。
任期は12月から2年間。29日にブラジルに渡ってから1カ月間、ポルトガル語を学ぶなど準備期間をへて任務に就く。
渡辺さんはことし1月まで介護福祉士として8年間、働いていた。以前から海外で働くことに興味があり、海外協力隊の2019年秋の募集で高齢者介護で合格者資格を受けていた。
そこへ新型ウイルスの感染拡大で行けなくなり、今回の機会を見送ると派遣を難しいとも言われ、「今かなと思った」と渡辺さんは決断した。
渡辺さんは4日、JICAのスタッフとともに滝沢亮三条市長を表敬訪問した。滝沢市長を訪問した渡辺さんは「わたしが勉強したことを教えるというより、現地の人と協力、協調していい関係を築きたいと思っている。まだ何も用意しててなく何とかなると思って頑張ってる最中」と笑った。
滝沢市長も別の文脈で「私も割と事前まで何も知らないタイプなんで、そういうチャレンジ精神を発揮してほしい」と活躍を願った。