2023年度グッドデザイン賞で、新潟県三条市がかかわる地方創生型ワークプレイス「JRE Local Hub 燕三条」の取り組みが「グッドデザイン・ベスト100」、 複合交流拠点「三-Me.(ミー)」の取り組みが「グッドデザイン賞」をいずれも「地域の取り組み・活動」部門で受賞した。三条市の「地域の取り組み・活動」部門での受賞は今回が初めてで、いきなり2件を受賞した。
「JRE Local Hub 燕三条」は、JR東日本と株式会社ドッツアンドラインズ、三条市が連携して取り組み、ことし2月に開業した。受賞した「グッドデザイン・ベスト100」は、グッドデザイン賞のなかでもとくに優れた100件が選出され、そのなかから「グッドデザイン金賞」、「ファイナリスト(大賞候補)」、「グッドフォーカス賞」が選出される。
複合交流拠点「三-Me.」は、ことし2月にオープンし、移住体験できるゲストハウスも備えている。
三条市はこれまで、2016年の「一般・公共向けの取り組み」部門でまちなか 交流広場「ステージえんがわ」がグッドデザイン賞を受賞している。それぞれ審査委員の評価は次の通り。
JRE Local Hub 燕三条の審査員評価
かのスティーブ・ジョブズがiPodに採用したことで知られる燕三条地域が誇る金属研磨技術。日本各地に眠る優れた職人技術が世界に知られた瞬間だったが、そんな栄光も長くは続かない。JR東日本と地元工場の次世代の担い手たちが連携して、この地域の高い技術力を伝えるために新幹線の燕三条駅につくったのが、JRE Local Hub 燕三条だ。次世代の担い手たちの熱量もすごいが、JR東日本が本気で日本の地域の課題を解決しようと一歩踏み出した成果として評価し、今後の展開にも期待したい。
三-Me.の審査員評価
暮らし方・働き方のかたちが多様化している中で、まずはその地域を知る、試しに住んでみる、試しに小商を始めてみる、本格的に暮らしてみる、といった移住のステップを丁寧に分解したプログラムが空間とプログラムに落とし込まれている。そしてヒト・コト・情報(空き家)が集まるハブとしての機能を持つことで、本格的な移住や新規創業への足がかりにもなっていく。移住・空き家活用・新規創業といった、これまでバラバラで行われていた要素を統合し実践しているこの取り組みは、全国のエリア再生や空き家活用のヒントとなり得るであろう。