年内で音楽事務所を退所する新潟県燕市出身のフルート奏者「笛人(ふえびと)」こと本宮宏美さん(39)の最後の「ふるさとコンサート」が9日、燕市文化会館で開かれた。本宮さんのステージを見届けようと会場の約600席を埋めたファンは、2時間余りに及ぶパフォーマンスを堪能した。
本宮宏美さんは、2011年に加茂市の音楽事務所「オトノハコ」に所属し、初の全曲オリジナルインストアルバム『息吹』をリリースして以来、通算12作のアルバム、100曲を超えるオリジナル楽曲を世に出した。
フルート奏者をセンターとしたユニークなアンサンブルスタイルで注目を集め、映画『夢は牛のお医者さん』のサウンドトラックも担当するなど活躍のフィールドを広げた。近年は音楽配信サービス「Apple Music」の海外のインストアルバム部門でランキング入りし、国境を越えて海外にもフォンを広げた。
2013年には燕市PR大使に就任した。1日平均全国で約50のテレビ番組で本宮さんの楽曲が放送されていると言う。
ことし6月、本宮さんは12月31日で退所すると発表した。来年は40歳の節目。これまで12年間の音楽活動に一区切りをつけ、新たな第二の人生を歩むことを決意した。その後の活動は白紙だが、「笛人」としての活動を終了してもフルートや音楽はあり続けると話しており、新しい形での音楽活動を続けてくれそうだ。
「ふるさとコンサート」は毎年恒例の燕市文化会館での自主コンサート。ファーストアルバムのタイトル曲『息吹』の独奏を皮切りに、これまでの音楽活動を時代を追って振り返るようにアンコールを含め20曲を熱演した。
ステージで本宮さんは「笛人の歴史をこれからは守りたい、大切にしたい、自分のなかに握りしめてつぶしてしまわないように、もっともっと自由に解き放ってあげようと思った」、「楽曲たちがもっともっと遠くへ、たくさんの人にこれからも愛され続けていくことを私は願っている」と思いを語った。
最後はバンドで『息吹』をもう一度、演奏したメンバーや関係者に感謝した。鈴木市長は燕市PR大使はそのままにしておく」とし、「1月からシン笛人、シン本宮宏美で皆さんの前で素晴らしい活躍を期待する」とエールを送った。