新潟県三条市で11日行われた防犯イベント「三条地域安全のつどい」でアイドルグループ「日向坂46」の上村ひなのさんが一日警察署長を務め、約400人が来場して上村ひなのさんと一緒に防犯クイズなどを楽しんだ。
このイベントは、三条署と三条市防犯組合、三条市が主催。11日から20日までの10日間の「新潟県犯罪のない安全で安心なまちづくり旬間・全国地域安全運動」の一環で、市民の防犯意識の高揚を図ろうと行われた。
上村ひなのさんは、先にテレビ放送された三条市でメインロケが行われたドラマ『DIY!!-どぅー・いっと・ゆあせるふ-』で主演したことから、一日警察署長に迎えた。
三条市中央公民館を会場には平日の日中にもかかわらず約400人が来場した。関係者数十人以外は一般の来場者。午後1時半スタートだったが、会場が開館する午前8時半より早く来場するファンや県外から訪れたファンも20〜30人。会社の昼休みを長めにもらって駆けつけた人もいた。
一日警察署長の委嘱式で三条市防犯協会会長でもある滝沢亮市長は、新型ウイルスの5類移行で社会経済活動が活発になったためか、三条市のことしに入って8月までの刑法犯認知件数は245件で、昨年同期より65件増え、オレオレ詐欺など特殊詐欺も8月末まででに14件で昨年同期の7件の2倍になっていることを話した。
その一方で、たくさんの人の活動で多くの詐欺事件を未然に防いでおり、上村ひなのさんの一日警察署長により「三条市がきょうのイベントを通じ、イベントをきっかけにさらに安心安全なまちになるのかなと期待している」。
田崎克則署長は近年、お年寄りをねらった特殊詐欺事件、都会を思わせるような凶悪事件、子どもやお年寄りが犠牲となる悲惨が交通事故などが後を絶たず、「堅苦しいイメージの三条署長から、愛くるしい笑顔がトレードマークの上村ひなのさんに署長の任務を任せるので、どうか三条市のため、町中に笑顔と安らぎを振りまいていただきたい」と期待した。
田崎署長から上村ひなのさんに一日警察署長の委嘱状を手渡し、滝沢市長がたすきをかけた。上村ひなのさんは「撮影では三条市の皆さまに大変お世話になって撮影以外にまたこうして三条に戻ってくることができてとてもうれしく思います。きょうはとっても素敵な警察官の制服を初めて着ることができてとっても緊張しているのですが、お越しの皆さんと一緒にいろいろなことを学んで、アイドルグループの活動にももって帰れたらと思います」と述べた。
上村ひなのさんは一日警察署長として防犯クイズに挑戦した。三条署管内の乗物盗や侵入等の無施錠の割合、特殊詐欺の手口、特殊詐欺被害防止に有効な防犯機能付きの電話、特殊詐欺の金銭の支払い方法に電子マネーが多く使われていることなどに関するクイズに全問正解した。
このなかで上村ひなのさんは祖母が特殊詐欺被害に遭いそうになったことがあると話し、被害を防げたのは「日ごろからコミュニケーションをよくとっていたことが大きかったかなと思う」と話し、「若い世代の方はおじいちゃんおばあちゃんのことをしっかりと気にかけてしっかりコミュニケーションをとるようにして被害防止に努めてほしい」と呼びかけた。最後は県警音楽隊の演奏会で終わった。
イベント後、上村ひなのさんは三条市について「変わらない安心感があって、新潟のお米もおいしくて、本当に素敵な場所なので、また三条へ来られる機会があるように頑張っていきたい」、「特殊詐欺は想像しているより以外と身近にあり、日ごろから気をつけて防止するという意識をしっかりもつだけでなく、まわりの人たちとしっかり共有をして、家族だけじゃなく地域全体で防止をしていくことがすごく大事だと思う」とあらためて被害防止を呼びかけた。