国内の桐たんすの7割を生産する新潟県加茂市の桐たんすメーカーの製品を一堂に集めて展示販売する「加茂桐箪笥(たんす)祭り」が13日、加茂市産業センターで始まった。15日までの3日間で1,000万円の売り上げを目指す。
加茂桐箪笥(たんす)協同組合(桑原隆理事長)の主催で毎年開かれている。第22回となったことしは昨年より1社多い6社が参加。300万円を最高に桐たんす70棹(さお)をはじめ、桐で作ったはし、茶托、盆、玩具、ペン立てなど小物も販売している。
気軽に足を運んでもらおうと今回はアウトレットコーナーを開設。40万円の桐たんすが20万円など半額近くで販売しており、早い者勝ちのお買い得品ばかりだ。
呼び物はことしで3年目の桐かんなかけ大会。15日まで午前11時と午後1時の2回行い、桐の板にかんなをかけ、かんなくずの重さを競う。優勝賞品の30万円相当の桐手許(てもと)たんすをはじめ3位以上と、女性優勝者にも豪華賞品を贈る。
初日13日は開場式のあと、大会でかんなのかけ方を手ほどきする加茂桐箪笥伝統工芸士会の三本和好会長(67)、加茂市の五十嵐裕幸副市長、地域おこし協力隊の松本悠雅さん(24)の3人が「加茂市頂上決戦」として対戦した。
制限時間3分は思っている以上に長い。3分間、全力でかんなをかけ続けるのは無理で、20代の松本さんですら30秒ほどで顔を紅潮させた。
結果は松本さんが過去の大会の最高成績と思える135.58グラム。三本会長は不利な大きめのかんなを使ったこともあるが負けを確信したが、146.29グラムで松本さんを上回り、職人の面目を保った。五十嵐副市長は64.18グラムだった。
桐たんす屋巡りも行っており、参加6社すべてを回った人には抽選で豪華な賞品を贈るほか、メイン会場の加茂市産業センターに来場したときにくじ引きに参加でき、当たりが出た人には「桐まな板」をプレゼント。はずれても製造工程で出た桐端材を持ち帰ることができ、無料で参加できて土産も豊富な3日間だ。
三本会長は「桐たんすの販売展示はもとより桐たんすの魅力を伝えたい。ひとりでも多くの桐たんすファンをつくっていきたい」と話している。3日間とも午前10時から午後5時まで、入場無料。