新潟県三条市の市民芸術の祭典、三条市美術展(市展)が14日から17日までの4日間、三条市体育文化会館を会場に開幕した。初日14日は新型ウイルス禍を越えて4年ぶりに開場式と表彰式も行われ、フルスペックの市展が復活した。
午前9時から開場式でテープカットが行われ、午後4時から表彰式が行われた。ことしは日本画26、洋画64、彫刻3、工芸28、書道47、写真76の244点の応募があった。このうち選外19点を除き、特別出品を含めて317点がアリーナに一堂に展示されている。
話題は滝沢亮市長と上田泰成副市長の書道作品の出品。歴代正副市長が市展に応募したことはなく、大げさに言えば歴史的なできごとだ。
滝沢市長が書いたのは、漢詩の一節「深山大沢、実生龍蛇」。キリスト教の教育者、新島襄(1843-90)の愛唱句で知られ、滝沢市長と同じ下田地区出身で三条市名誉市民の漢学者、諸橋轍次(1883-1982)も好んだとされる。
上田副市長が書いたのは、漢字は違うが名前は同じ「やすなり」で、生まれも同じ大阪の天満(てんま)の小説家、川端康成(1899-1972)の作品で、新潟が舞台の『雪国』の一節。漢字仮名交じり文を色の淡い青墨で色紙に書いた。
小学校高学年で書道教室に通い、社会人になっても続けていて書道7段。開場式には滝沢市長に代わって出席し、「もうちょっと練習したかった。時間がなかったから1回しか書かなかった」とやや悔いは残るものの、会場に自身の作品が並ぶようすに喜んでいた。
またまた、三条市のわくわく文化未来塾を受講している子どもたちの作品も展示している。午前9時から午後6時まで開場し、14日は午後9時まで、17日は午後4時まで。入場無料。