1911年(明治44)、今の新潟県三条市に郡立三条商工学校として開校した県立新潟県央工業高校(松原直樹校長)は2021年に創立110周年を迎えた。感染禍のためそれから2年遅れで27日、110周年を祝って昼は記念式典、夜は記念祝賀会を兼ねた同窓会総会が開かれた。
祝賀会はジオ・ワールドビップ(三条市)で同窓会(松縄嘉彦会長)の開かれた。総会は感染禍の間は開催を休み、今回は4年ぶりの開催、乾杯。教職員を含め同窓の210人が集った。
松縄会長はあいさつで「母校の生徒諸君は、感染禍にあってもめげることなく、部活に勉強にと励み、この地域産業界での期待は高まるばかり。ものづくりの地域で1世紀を超えて人材を送り出してきたわが母校、ものづくりを学ぶ工業高校としての母校、これからもしっかり支えていかなければならない。そうすることがわたしたち同窓会の使命でもある」と力を込めた。
松原校長は、機械加工科3年の竹越仁夢さんが溶接甲子園で新潟県勢初の全国1位になったほか、部活動や教育、企業との連携などことしの実績を紹介。「ひとえに同窓の方々による母校の後輩たちを思う優しい気持ちと気遣い、心配が故での親心から来る協力と理解している」とし、ますますの協力を願った。
来賓の滝沢市長は「ぜひとも創立120周年までにもう一度、甲子園球場で皆さん、在校生が校歌を歌う姿を見たいと感じた」とし、「このものづくりの町を将来、支えてくれる子も育ててくれている皆さまが温かい愛情を持って応援し、本当に素晴らしい教育環境と思う」と祝辞を述べた。
三条商工会議所の兼古耕一会頭は「ものづくり地域の競争力を維持し続けるには、技術力もさることながら世の中の変化に合わせた自己変革できるかどうかにかかっている。それを判断し、実行に移すのは、そこで働く人。地域と連携したキャリア教育を推進し、県央地域の産業に貢献できる人材の育成を目標に掲げる県央工業高校に県央地域の企業が寄せる期待は非常に大きい」と存在の重要性を強調した。
2020年まで7年間、会長を務め、役員歴は57年7カ月の梨本正実前会長に松縄会長から感謝状を贈呈。ウエイトリフティング部、卓球部、レスリング部、弓道部、水泳部、機械工作部、野球部、陸上競技部、ロボット競技部に激励費を贈呈したたと、梨本前会長の音頭で乾杯し、杯を重ねて旧交を温めた。