新潟県加茂市の加茂山公園の池之端で4日夜、手づくりの紅葉のライトアップが始まった。来年の本番に向けた試験的な実施だが、照明に彩られた池之端の新しい夜の風景が目を楽しませてくれている。
ライトアップは土、日曜の4、5日と11、12日の4日間だけ、午後6時から9時まで行っている。池之端には4つの池が並び、そのうちいちばん下の噴水のある池の周辺でモミジなどの木々をライトアップしている。
充電式の8つのLED照明のほか、ガーデンソーラーライトやベンチに紅白の加茂市の花のユキツバキを模した照明も設置した。
紅葉はまだ色づき始めだが、照明に照らされた緑の葉が暗闇に浮かびあがる姿も美しい。ライトアップが始まったことはあまり知られていない。初日4日は日中に雨が降ったこともあって見物に訪れる人は少なかったが、「手づくりのライトアップでもすばらしい」、「紅葉はまだでもきれいなもんだ」と思いがけない風景に出会い、目を見張っていた。
ライトアップを仕掛けたのは池之端にある茶屋「椿(つばき)の家」の店主、中林園子さん。「紅葉の時期はすごいきれいだから、昼間だけだともったいない。夜も加茂山のきれいな紅葉を見てほしいと思って」と話す。
「椿の家」を始めて8年目。「もうすぐ10年になるし、何かお礼をしたいと思っていた。菓子を配るのもどうなんだろう」と思って紅葉のライトアップに目をつけた。照明器具も自前で調達した。
思い立ったらじっとしていられない性分。準備の時間が足りなかったが、来年の本番に向けてことしは試験的にやってみようと、「椿の家」で販売実習を行っている地元の新潟経営大学の伊部ゼミとのコラボレーションで取り組み、ポスターも作成した。
「4日間だけだけど、加茂山の紅葉の美しさを味わってほしい。来年はもっと照明を買い足して上の方の池にもライトアップを広げていきたい」と中林さんは張り切っている。ライトアップ実施日は「椿の家」もふだん午後4時までのところ9時まで延長営業している。