帝国データバンク新潟支店によると、新潟県三条市・一ノ木戸商店街で創業130年余りになる野島書店を運営した株式会社野島書店(三条市仲之町1)と関係会社の有限会社ノジマ事務機(同所)は、17日に債務整理を坂西哲昌弁護士(三条市東三条1)に一任したことがわかった。負債は野島書店が約2億6000万円、ノジマ事務機が約1000万円の合わせて約2億7000万円。
野島書店は1890年(明治23)創業、50年(昭和25)12月に法人改組した。「野島書店」と看板を掲げ、地元官公庁や金融機関、事業所を得意先とした書籍や事務機器などの卸売、店頭小売を手がけてきた。
本店では一般書籍や雑誌のほか、参考書、辞書、文具類を充実させ、地域住民を固定客としたほか、80年代に新興住宅街やスーパーの店内などへ書店の出店を加速し、90年代前半には年売上高約10億円を計上していた。
しかし書籍部門は書籍離れや少子化による生徒、学生数の減少に歯止めがかからず、インターネット通販業者コンビニ店の台頭もあって業容縮小が続き、書店を相次いで閉鎖。事務機器部門では得意先の金融機関の店舗統廃合や事業所数の減少を背景に販売ルートが縮小。2018年からは本店1店舗の運営となった。
近年は官公庁からの事務機器受注に力を入れたものの、ことし7月期の売上高は約2億4000万円にまで低下。過去の赤字決算を背景に債務超過の財務が続いていた。
借入金返済のリスケジュールを受けていたものの、厳しい資金繰りが続くなか、それまでの設備投資や運転資金を目的に導入した借入金の返済負担が重く、さらに前代表の体調不良もあり、事業継続を断念した。
今月初めには店舗に閉店のあいさつの張り紙をして閉店セールを行っていた。
ノジマ事務機は1992年(平成4)設立。野島書店と歩調を合わせた運営で、事務用機器や事務用品の販売、オフィスなどの内装工事を手がけていたが、同社に連鎖した。
なお副読本や学校教材なども手がける関連会社の株式会社野島出版(同所)はこれまで通り事業を継続している。