「拒食症だった自分にまったく自信はないけど、いつか変わりたいと思っていた」。3人の子をもつシングルマザーの高橋亜有美さん(43)は、「ミセス・オブ・ザ・イヤー」日本大会で特別賞を受賞。来年6月に開かれる世界大会に出場する。
2020年に日本でスタートしたアジア最大級のミセスコンテスト。4部門のうち高橋さんは25歳から42歳までのブリリアント部門にエントリーした。コンテストでは、ランウェイでドレスウオーキングとポージング、加えてスピーチも行う。
8月11日に新潟市で開かれた新潟大会では、部門に10人ほどが出場し、高橋さんはグランプリに次ぐ準グランプリを受賞し、11月4、5日と東京で開かれた日本大会に出場。部門に79人が出場し、今度はグランプリ、準グランプリに次ぐ特別賞を受賞した。
これにより来年6月26日から29日まで東京で開かれる世界大会出場権を獲得した。世界大会には27カ国が参加する。
昨年、このコンテストに出場した知り合いに刺激を受けた。「彼女の顔がすごく変わっていった。ことし3月下旬にエントリーしないかと誘われ、せっかくなのでエントリーしてみようと思いました」。
大会に向けてウオーキングやメイクをレッスンした。「人前で話すのが苦手なのでスピーチはものすごく緊張したけど、ウオーキングは快感でした」。
新潟大会の準グランプリの結果には「グランプリをねらっていたのでショックでした。声が出なかったから当然よね」。全国大会での特別賞にも「やっぱりショックでした」。負けず嫌いで出場したからには頂点をねらう。それでも「受賞に感謝の気持ちはあり、もっとこうすれば良かったのかと反省点ばかりで」。
結果にネガティブになることはまったくなく、逆にますますやる気にあふれている。「世界大会こそグランプリをねらいます」ときっぱり。「悔いを残さない結果を残すためにしっかりレッスンしたい」と目を輝かせる。
三条市出身で子どもは20代の長男と次男、5歳の長女の3人。市内の会社で事務職で働く。元夫に産後、悪気もなく太ったと言われたのがきっかけで、20代初めから30代半ばまで拒食症に苦しんだ。身長152センチで今は体重46キロだが、拒食症のときは命を落としかねない22.6kgまで体重が減った。
そんな自分に自信がなく、いつか変わりたいという気持ちがあった。「拒食症は先が見えなく、闇が深い。拒食症を経験してもこんなに変われるんだという応援メッセージになる。そういう気持ちでも頑張りたい」と使命感も感じている。