「商売はライバルでも防犯はタッグを組んで」と24日、新潟県三条市内のコンビニ店で4つのコンビニチェーンが参加して合同模擬強盗訓練と特殊詐欺被害防止声かけ訓練が行われた。
訓練を行ったのは、「セブン-イレブン三条西裏館店」(三条市西裏館2)。三条市内の店舗従業員を中心にセブン-イレブンのほか、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキと三条署員ら約40人が参加した。
三条署員の犯人役がカウンターでナイフを突き出し、「金を出せ!。動くな!」と脅し、レジから3万円を奪って逃げた。犯人に対応する対応や通報、犯行後の三条署員から聞き取りへの対応などを訓練した。
続いて特殊詐欺被害防止推進員の高齢男性が被害者役を担当。身に覚えのないインターネットのサイトの未納料金を支払うため来店し、レジカウンターで電子マネーカード30万円分を購入しよとするところを声をかけて警察への相談を求める対応などを訓練した。
模擬強盗訓練でカウンターで対応した女性は「刃物がいくら作り物とはいえ、向けられるとすごくドキドキして今もドキドキが収まらない」と平常心でいることの難しさを話した。
同店の渡辺大介オーナーは「防犯は日々、従業員に教育しているが、実際に体験してみるとまったく違うものだと感じた。これを機会に防犯面や詐欺防止に力を注いでいく」と話した。
今回の訓練を中心となって企画したのは、セブン-イレブン・ジャパン総務法務本部総合渉外部新潟・北陸ゾーン渉外担当の渋谷勝さん。2年ほど埼玉県に単身赴任した経験があるが、新潟県内ではセブン-イレブン主催で訓練をしていないと聞き、年末に向けてどうせなら三条市や三条署管内で合同でやろうと、4チェーンにも声かけさせてもらった。
県内ではコンビニチェーンの枠を超えた訓練は珍しい。「防犯に関してはライバルも何もないので、参加していただいた。どうせなら大規模でやろうと三条署にもお願いした」と渋谷さん。また、オープン前の店舗で行うのが一般的だが、営業中の店舗で行うのも珍しと言う。
新型ウイルスの感染拡大もあってここ数年、強盗訓練などはあまり行われたこなかっただけに、三条署でも今回の取り組みを歓迎していた。