総合飲食店の有限会社春秋まるい(野水吉朗代表取締役・新潟県三条市旭町1)は、新型ウイルス禍で3年遅れの創業45周年企画として、忘新年会の利用の収益の一部を「フリースクールヒュッゲ」(関口健志代表・三条市善久寺)に寄付する寄付金付きコース料理を用意した。
12月4日から来年2月29日までの企画。牛、豚、鶏、鴨、羊の肉を使った「肉ざんまい」と、海の幸をいろんな料理で味わえる「魚づくし」の2つのコースがあり、いずれも2ドリンク付きで税込み7,700円。売り上げの10%をフリースクールヒュッゲに寄付する。
春秋まるいは2020年に創業45周年を迎えたが、すき焼きをフィーチャーした周年企画をスタートした矢先に新型ウイルスの感染拡大で企画が頓挫した。
ことし5月に新型ウイルスが5類感染症に移行。ようやく3年遅れであらためて周年企画を検討し、収益の一部をフリースクールに寄付することにした。
フリースクールは、不登校の子どもに学校に代わって過ごす場所を提供する民間施設。フリースクールヒュッゲは、25年余りにわたり家庭教師やひきこもり支援相談士として子どもたちの声を聞いてきた関口健司さん(50)が2019年に設立した。
中高生を中心に多い日で6、7人が利用する。関口さんは5類移行後、不登校が激増していると教育委員会から聞いたが、不登校の子どものうち2、3%しかフリースクールを利用していない。
フリースクールの運営は、光熱費をはじめ物価高騰もあって経済的に厳しくなっているなか、今回の企画に関口代表は「命を守る居場所を継続できるのがなによりありがたいと思っている」と感謝している。
野水代表取締役(51)は、「私の身の回りで感染症の3年間で人と接するのが大好きなのに、うつになった人がいた。おとながそうなら子どもはそれ以上にダメージが大きいと思った」と新型ウイルス禍の影響を身近に感じていた。
新型ウイルス禍が引き金が引かれて不登校になった子どももあり、「これが私の知り合いがうつになったこととオーバーラップした」と言い、「うちの店に元気になって来てくださいという思いもあるが、ふつうの生活に戻ってほしい」と願っている。忘新年会コースの予約や問い合わせは春秋まるい(電話:0256-32-2208・FAX0256-32-2912)へ。