新潟県三条市が1日、三条市荻島で西洋ナシ「ル レクチエ」を生産する吉竹和巳さん(51)を三条農業マイスターに認定したのにあわせて、三条市出身で「道の駅 漢学の里しただ」(三条市庭月)で働く元ブルガリレストランのパティシェ、市川耕太さん(33)がル レクチエを使ったスイーツを創作。1日から17日までの毎週末の土、日曜限定で「道の駅 漢学の里しただ」で販売している。
クレームシブーストというカスタードクリームとメレンゲを合わせたクリームの中に、軽くシロップに漬け込んだル レクチエを1/6個〜1/8個くらい使って、ごろごろと入れたタルト。下は発酵バターを使ったタルト生地とサワークリームを使った濃厚でちょっときれのあるクリームで仕上げた。
上は砂糖をかけてバーナーであぶり、キャラメル化させた。味だけでなく層になった食感も楽しめる。販売価格は税込み600円。
市川さんは西洋ナシでは有名な品種、ラ・フランスでスイーツを作ったことはあるが、ル レクチエを使ったのは初めて。「ル レクチエは香り高くて、みずみずしく、上品な甘さの特徴あるフルーツ」 と市川さんは評する。
「いちばん工夫したのは、生産者の吉竹さんがすごくいいものを作っているので、なるべく自分の手を加えず、かつ、ケーキと一体感ができることに重きを置き、ひとつのケーキに仕上げた」と言う。
1日、市役所で行われた吉竹さんの三条農業マイスター認定式のあと、この日に限り正午から市役所で100個を限定販売した。少しでも新鮮な状態で食べてもらおうと市川さんはこの日、午前5時に出社して調理した。
市民数人が販売を待ち、庁内のチャイムが鳴るとすぐに職員の行列が延び、行列がなくならないまま20分ほどで完売した。
市川さんは認定式にも同席して滝沢市長と吉竹さんから試食してもらった。滝沢市長は「うん、おいしい。ル レクチエがすごくみずみずしい」と感心。吉竹さんもル レクチエを生でしか食べたことがなく、「こんなにおいしく作ってもらってありがたい」と感謝した。
市川さんは三条市下田地区の出身。県内の料理専門学校を卒業後、東京都内のテオブロマで5年半勤務し、生菓子や焼き菓子、アイス、チョコレート、砂糖菓子、菓子屋のパンなどの基礎を習得し、主任となり店舗、厨房責任者を経験した。
その後、東京・銀座にあるブルガリのレストランパティシエとして半年間勤務し、チョ コレート部門に異動し7年間勤務。ショコラティエの二番手となった。
いつかはふるさとで働きたいと、地元の連絡を絶やさず、ことし6月から「道の駅 漢学の里しただ」に転職し、加工部門長、パティシエ、ショコラティエとして働いている。今回のル レクチエのタルトシブーストは「自分でもすごくよくできと思っている」と満足顔だった。問い合わせは「道の駅 漢学の里しただ」(0256-47-2230)へ。