新潟県弥彦村のブランドギンナン「弥彦ギンちゃん」の出荷が最盛期を迎えている。大粒でモチモチした食感が特徴で12月いっぱいまで出荷が続き、今シーズンは約1.4トンの出荷を見込んでいる。
弥彦村ではブドウの栽培に力を入れた時代もあるが、代わりに紅葉が楽しめる景観作物で栽培に手がかからないギンナンの栽培を推進し、25年ほど前にはJAにぎんなん部会もできた。
近年はギンナンの栽培を拡大していないが、大粒の「喜平(きへい)」という品種でさらに2Lサイズ以上を「弥彦ギンちゃん」として出荷し、差別化を図っている。
ぎんなん部会は15人が約210アールでギンナンを生産し、出荷は10月下旬から12月いっぱいまで続く。ことしは夏の記録的な猛暑の影響や裏年に当たるためか収量は少なく、例年2トン、多い年なら3トンにのぼるところ、ことしは1.4トンていどにとどまると見られている。
ただ、選別しているここともあり、品質は例年と変わらない。出荷最盛期を迎えて14日の井田山集出荷場(弥彦村井田)では次々と生産者からギンナンが持ち込まれ、選別機にかけて2L以上を「弥彦ギンちゃん」に選んだ。
ぎんなん部会の部会長でギンナン生産者の渡辺一嘉さん(60)は「ことしの高温、乾燥はだいぶ心配したが、なんとかギンナンが持ちこたえてくれて大粒のギンナンがとれた」と言う。
お勧めの食べ方は「単純に電子レンジで熱をかけて軽く塩をふってかけるのが食べやすい」。ギンナンは正月の郷里料理「のっぺい汁」やお節料理におせち料理の飾りによく使われ、「年末の季節感を味わえる食材。県内のスーパーで見かけたらぜひ手にとってほしい」とPRした。