新潟県三条市の滝沢亮市長(37)は二児の父。2月13日に生まれた長女の彩乃ちゃんを15日、10か月健診に連れて行った。長男の颯大ちゃん(5)を含めひとりで子どもを乳幼児健診に連れて行ったのは初めてで、「疲れました」と大変さを実感していた。
三条市は働き方改革で男性職員の育児休業の促進を図り、ワークライフバランスの実現と女性の活躍を応援している。職員アンケートでは、30歳代以下の男性職員の6割が子どもが生まれたら育休の取得を希望しているというデータもあり、育休を希望する職員の育休取得率100%を目指している。
「隗(かい)より始めよ」で滝沢市長も彩乃ちゃんが生まれたら育休を取得するつもりでいたが、仕事も忙しく結局、取れずじまい。せめて乳幼児健診だけでもと、進んで妻の佳代さん(36)に代わって彩乃ちゃんをひとりで10か月健診に連れいくことにした。
それまで乳幼児健診はすべて佳代さんがひとりで連れていった。いきなりひとりで連れて行くのは滝沢市長にとって「はじめてのおつかい」状態。午前9時半から会場の三条市総合福祉センターで受け付け、身体計測、健康相談、栄養相談、ブックスタートと回った。
会場には数組の夫婦はいたが、父ひとりは滝沢市長だけ。スーツを着ているのも滝沢市長だけで明らかに浮いていたが、滝沢市長はマイペース。ふだんから週末は颯大ちゃんを連れて公務に出向くこともあり、子どもを連れ歩くことは日常だ。服の着せたり脱がせたり慣れたもの。彩乃ちゃんもむずかって滝沢市長が手を焼くこともなかった。
健診が終わるまでの所要時間は1時間で、「結構、長時間で疲れました」と滝沢市長。「きょうはパパさんオンリーはわたしだけで、市役所でも男性の育休をもっと推し進めていかなければならないし、役所のなかだけじゃなく、育児参加という言葉じゃなく、2人で育児するのが当たり前というふうに進めていかなければだめだと思った」と痛感していた。
健診を終わるとその足で彩乃ちゃんを保育園へ送り、自身は職場へ向かった。