「懐メロ伝道師」と名乗る新潟県三条市で石油ストーブの修理業を営む西けんじ(本名・西潟健一)さん(76)。このほど西さんが歌う弥彦村のご当地ソング『弥彦物語』を制作、CD化して20日、弥彦村にCD20枚を寄付した。
西さんは10年近く前から懐メロを歌うボランティア活動を続けている。田上町の「道の駅たがみ」で西さんの歌謡ショーが開かれることを数多くの作詞や標語を手がける三条市の理容業長橋正宣さん(83)に話したところ、長橋さんが田上のご当地ソング『田上のひとよ』を西さんのためにつくってくれた。
その延長線上で西さんは、ほかに何かいいご当地ソングはないかと長橋さんにもちかけたところ、長橋さんは9月に関川村の坂上進さん作曲の『弥彦物語』を完成させた。
西さんは自宅でレコーディングしてCD化し、知り合いから弥彦で撮影した写真を提供してもらってミュージック・ビデオ風の動画に編集し、YouTubeにもアップした。
せっかくなので弥彦村に寄付したいと、仕事で西さんとかかわりのある小熊正弥彦村議を頼ってCDを寄付することになり、20日、西さんと長橋さん、小熊村議の3人で村役場を訪れ、本間芳之村長にCDを手渡した。CDの配布先はこれから決める。
長橋さんは「ふつうの歌じゃなく、弥彦のPRソングとして観光につながるようにした」、「歌いやすく詩を見ると意味がわかるようにした。説明を受けるまでもなく詩で説明している」と作詞の意図を話した。
本間村長は、歌詞のなかに弥彦の大鳥居、ロープウェイ、弥彦スカイライン、弥彦菊まつり、燈籠(とうろう)祭りなどが登場することに、「弥彦のエッセンスが散りばめられている。弥彦の季節それぞれの特徴をとらえていただいた」と感謝。「弥彦の魅力を最大限、引き出していただき、感謝申し上げる。いろんな場面で観光PRも兼ねてたくさんの人に聴いていただきたい」と述べた。
西さんは「弥彦の観光に少しでも役に立てることがわたしにできること。私が弥彦に行ってるような感じで歌わせていただいた。演歌を歌うよりはすんなり体に入ってきた歌いやすい楽曲だった。目をつぶってても景色が目に浮かぶ歌詞。あわよくばカラオケに入って全国的に歌われれば大変うれしい」と夢を膨らませた。『弥彦物語』の歌詞は次の通り。
『弥彦物語』
弥者の山に 春風吹けば
あの娘いそいそ 誰を待つ
通う心に しあわせ招く
空にそびえる 大鳥居
アー ここは越後の 一の宮佐渡も見えます 信濃も見える
ロープウェイは 雲の上
まちに繰り出す 灯籠まつり
誰の思いを 燃やすや
アー ここは日本の 夢どころ。スカイラインで 弥彦が近い
みんな見にくる 菊まつり
ちょいと寄りなれ いで湯の宿は
あつい情けの 花も咲く
アー ここは世界の パラダイス。