新潟県三条市で正月を前に毎年、門松を手作りして福祉関係施設に寄付しているボランティア団体「西本成寺有志会」(五十嵐浩市会長・会員17人)。ことしも24日、門松9基を手作りしてその足で三条市内の福祉関係施設に配り届けた。
西本成寺有志会は、会員も大きな被害を受けた2004年の7.13水害で三条市総合運動公園に設置された仮設住宅で暮らす人たちのためのお楽しみ会を開こうと05年に発足し、門松作りと寄付は年末恒例。24日は会員17人のうち74歳を最高齢に11人が参加し、西本成寺1地内の会員宅の作業場に集まった。
11月にタケノコ産地で知られる三条市栄地区の吉野屋でタケを切り出してきた。青竹の上にする部分はあらかじめ斜めに切りそろえておいた。
24日はオイル缶を土台に3本の青竹を立てから縁起物の植物で飾った。農家の会員も多く、ユズリハ、マメ殻、ナンテンなどは会員が家から持ち寄り、マツ、センリョウ、ハボタンなどは会費で購入した。最後に「謹賀新年」とある紅白の紙垂(しで)のあるしめ縄飾りを取り付けて完成した。
昨年、会員に誘われて入会した三条市議の竹山嘉一さん(43)は、保育園の泥上げなどに参加してきたが、門松作りは初めての経験。ベテラン会員に「将来のホープ、「わたしたちの縁の下の力持ちで十分」と冗談交じりで期待され、自身は「すごぐ新鮮。もっと若い人に会に入ってほしい」と楽しんで作業していた。
9基の門松は軽トラックに積み込んで三条市総合福祉センターと障がい者居住支援拠点施設「長久の家」に2基ずつ、3つの施設がある特別養護老人ホーム「さかえの里」に5基を届けた。
三条市総合福祉センターでは正面玄関前に2基1対を設置し、三条市社会福祉協議会の外山迪子会長から五十嵐浩市会長(68)に礼状を贈った。外山会長は会長に就いて初めて見る立派な門松に「すごい!」と驚き、五十嵐会長は「物好きの集まりだと思ってください」と謙そんしていた。
門松は小正月前の来年1月14日に引き取り、材料のうち使えるものは再利用する。