新潟県燕市の旧吉田町出身の元プロレスラーで燕市PR大使も務めたキラー・カーン(本名・小沢正志)さんが29日、動脈破裂のため死去したことがわかった。76歳だった。
キラー・カーンさんが東京西新宿で経営する「カンちゃんの人情酒場」で営業中に意識を失い、救急搬送されたという。亡くなる5時間ほど前に自身の元気な姿を撮影した写真とともにX(旧Twitter)に店のPRを投稿していた。
今年の #カンちゃんの人情酒場 もあと2日!今年最後の #柚子 追加しました。大人気生柚子サワーが飲めるのもあとわずかです。
— キラーカンの店 カンちゃんの人情酒場 (@khan_ninjo) December 29, 2023
17:00オープン!お待ちしております。
#キラーカン #キラーカーン #居酒屋 #西新宿 pic.twitter.com/N1fDhcacT6
キラー・カーンさんは旧吉田町の薬店の長男に生まれた。吉田中学校を卒業、新潟市立白山高校体育科へ進んだが1年生で中退。大相撲の春日野部屋に入門し、1970年に廃業して71年に日本プロレスに入門した。
当初は本名をリングネームにしていたが、79年のアメリカ進出でモンゴル人という設定でキラー・カーンに改名。悪役レスラーとして人気を集め、両手で相手の首元をチョップするモンゴリアン・チョップなどを得意技とした。
87年にプロレスラーを引退したあとはキラー・カンを名乗り、都内を転々として「スナック カンちゃん」や「居酒屋カンちゃん」を経営していた。カンちゃんカレーは、尾崎豊が愛したことでも知られる。
歌が得意で2005年にCDデビューしている。2013年には燕市PR大使に就任。燕市で行われた酒呑童子行列に参加したり、燕市PR大使の演歌歌手上杉香緒里さん、フルート奏者本宮宏美さんと3人で燕市PR大使ふるさとコンサートに出演するなど、ふるさとでも活躍し、元気な姿を見せていた。
2020年、自転車で歩行者とぶつかってひき逃げをした疑いをかけられたが結局、不起訴に。キラー・カーンさんはのちに濡れ衣だと主張したものの、世間を騒がせたとして燕市PR大使を辞任している。
ジャイアント馬場さん(1938-99)は同じ新潟県、それも燕市のとなりの三条市出身のこともあり、親しかった。2016年、ケンオー・ドットコムの取材に対しキラー・カーンさんは、三条市名誉市民の称号を受けたジャイアント馬場さんについて「親しいどころじゃない。相撲もとったことがあるし、小遣いも何度ももらってるし、俺が入ったころ洗礼の空手チョップを胸に10発受けて胸を痛くした、いい思い出もある。本当にかわいがってくれた」と感謝していた。