燕市庁舎は免震構造が機能するも地震のつめあとがくっきり

(2024.1.3)

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2013年に竣工した新潟県燕市の市庁舎は免震建築物で、1日の能登半島地震でも免震機能を発揮したが、地震のつめあとがはっきり残っている。

正面玄関の地震で元通りに納まらずに穴も開いたパネル
正面玄関の地震で元通りに納まらずに穴も開いたパネル

市庁舎の建物は地下にあるずらりと並んだ免震ゴムの上に建物が乗ったような構造。さらに建築物用免震・制振用オイルダンバーでも揺れを吸収し、揺れる方向も制御する。建物は最大60センチずれることがある。そのため建物の周囲には幅1メートル余りの溝が切ってあり、建物はこの溝がつくる空間を使って揺れることができる。

地下に設置された免震ゴムに市庁舎の建物が乗る
地下に設置された免震ゴムに市庁舎の建物が乗る

玄関など建物につながる部分には、建物側にちょうつがいのあるパネルを地面側に乗せてかぶせるような形になっている。地震で揺れるとパネルが上に跳ね上がって建物が揺れる。揺れが収まると再びパネルが元通りに戻るという仕組みだ。


地震の揺れで溝に渡したパネルが跳ね上がり建物が溝の空間を使って揺れる
地震の揺れで溝に渡したパネルが跳ね上がり建物が溝の空間を使って揺れる

今回の地震で夜間・休日出入口のパネルなどは元通りに収まったが、正面玄関に並ぶパネルのうち約2.5メートル四方の1枚は元通りにならず、浮き上がったままになるだけでなく一部は割れて落下し、穴も開いた。

地盤沈下で建物と地面でつながっていたコンクリートが割れて3センチほどずれた
地盤沈下で建物と地面でつながっていたコンクリートが割れて3センチほどずれた

主な原因は外から正面玄関に向かって建物が1、2センチほど左にずれたため。パネルが収まるスペースがなくなってパネルが元の場所に戻らず重なって浮き上がり、割れたりした。


上から見た左半分がパネル。その右に見える部分から1、2センチずれたことがわかる。
上から見た左半分がパネル。その右に見える部分から1、2センチずれたことがわかる。

また地盤沈下も発生した。建物と地面にまたがっていたコンクリートは地盤沈下で割れ、地面側が3センチほど下がった。市は2日、市有施設を巡回して被害状況の確認作業を行った。それらも含め、被害か所の修復を検討する。


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