新潟県三条市の滝沢亮市長は仕事始めの4日、職員を前に年頭のあいさつを行った。冒頭、能登半島地震の犠牲者の冥福を祈り、被災者に見舞いを述べるとともに、職員の速やかな災害対応に感謝し、「いろいろな被害や相談がきょうから増えてくると思う」とさらなる対応を求め、積極的、主体的な被災地支援に力を発揮してほしいと期待した。
ことしの三条市は市民にとっても滝沢市長にとってもいちばん気になるのが、3月1日の県央基幹病院の開院と話した。済生会が運営する県立病院だが、三条市としても取り組むべき役割、医療について責任がある。
立地自治体が三条市だとの自覚をもち、インフラ整備、医師と看護師をはじめ医療スタッフの確保、公共交通機関の整備、情報発信、さらに地域医療、地域包括医療の充実を進めることがいちばん大事で、「それが市民の感情だ、市民の気持ちだというところを今一度、思いを寄せてもらいたい」。
三条市立大学は4月で4年目を迎え、4年生まですべての学年がそろう。今まで学生と市内企業、三条市と、産官学といういい形で連携が取れている。学園祭などを通じたまちづくりでも学生たちの活躍が光り、「これまで以上に学生の力を借り、皆さん自身も積極的に学生たちと交流したり、若い人たちの意見を取り入れて、三条市のまちづくりに彼らの力も借りてきていたい」と学生と学生の力を生かしたまちづくりにも期待した。
2024年もさまざまな変化が必要な年になり、変化の速度はさらに速くなる。現代は正解はひとつではなく、完璧な正解をじっくり時間をかけて求める時代ではなく、「積極的に走りながら、動きながら、トライアンドエラーの気持ちでことしも挑戦してもらいたいし、このような挑戦ができるのが私たち三条市の強み」。
ことしは三条市で9人が犠牲になった2004年の7.13水害から20年の節目。今回の能登半島地震で「市民の災害への不安はこれまで以上に高まっていると思う」が、自分も含めて7.13水害、さらには2011年の7.29水害を経験してない職員も市民を増えている。
「今一度、三条市の災害対応力をこの20年という年を契機に、さらに見直していきたいし、皆さんの力を発揮してもらいたい」と気を引き締め、「2024年も健康な皆さんと一緒に素晴らしい三条市をつくりあげていきたいので、力をお借りすることをお願いする」と職員の協力を求めた。