新潟県三条市の三条市立大学は、来年度で4年生まで全学年がそろう。教職員の提案もあって5日、初めての年頭式を行い、アハメド・シャハリアル学長が教職員に対して年頭のあいさつを述べた。
能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげ、シャハリアル学長は冒頭、犠牲者を追悼し、被災者を見舞ってから、3つのことを話した。
第一に、ことし4月で4年次になり、シャハリアル学長は「教育カリキュラム上でいえば大事な節目の年」と位置づけ、「質の高い卒業研究が実施できる学内環境、そのための学内の制度、ルールの設計に学生の目線に立ってつくってもらいたい」と求めた。
第二に、人口減少は学生確保にも大きな問題になっているが、「このピンチをチャンスに変えるためには何が必要かと言うと、少し頭をひねることと柔軟な対応がとても必要で、かつスピーディーに動く必要がある」と示した。
そのために来年度は「ワークショップ型の学生確保の選抜試験を導入したい」とし、選抜のための制度づくのための訓練、研修をするよう求めた。
第三に「この間のわたしたちの経験を踏まえ教育課程の修正を施したい」。シラバス、実習、選択、科目からそれぞれの科目を担当する教員の適正性、さまざまな内部点検を学生目線に立ち、学生の学びの質を上げる。
「本学として掲げる想像性豊かなテクノロジストの育成において、この4年間はできるだけ無駄がないような時間を過ごすため、そのような点検をしていきたい」と話した。
最後に新年から大きな自然災害、羽田空港の事故が発生し「気分がさえない正月だったと思う。学生たちも来週から悲しい気持ちで来るかもしれないが今一度、無理してでもちょっと明るい状況をつくって学生たちの学びを支援してほしい」と職員に期待し、願った。