新潟県三条市の三条商工会議所青年部(結城靖博会長)の新潟県燕三条地域の14日(日)に新潟市西区・新潟ふるさと村、21日(日)に燕市・道の駅 国上で燕三条のものづくりの魅力を伝える土産物屋「燕三条商店」のポップアップストアを開く。会員企業の燕三条地域10社・個人がそれぞれのもつ技術を生かして製作したオリジナルキーホルダーを販売。産業観光にもつなげたいと意気込む。
会員企業にキーホルダー製作にチャレンジする企業を募った。金属、木材、樹脂など仕事の加工作業で出る廃材を再活用した製品が多く、形状や文字などを変えて何種類も用意したものや鎚起銅器の技術でできたものもある。ロゴや陳列台もデザイナーに委託してイメージアップを図る。
注目は「WADA hikimono」(長谷川哲和社長・燕市吉田法花堂)のキーホルダー「耳かきやすり」。ステンレス製の円筒形で、ねじで中に内筒、さらにその中に耳かきを格納する。内筒の外側がやすりになっている。
溶接も研磨も行わずにNC旋盤だけを使った削り出しだけで製作。技術の無駄遣いというような手法でできあがったずしりと重く精度の高い仕上がりは、ギア好きをうならせる。燕三条の技術を手に取って確かめられる。
担当した製造部の横山祐樹主任は「見た目プラス機能性もあったらおもしろいと思った」と企画した。耳かきの直径3ミリの棒の削り出しの作業中に折れてしまうのに苦労した。「好評なら軽いチタンでもつくってみたい」と、ルートさえ確保できれば市販も検討したいと話していた。
燕三条商店の事業の担当は、青年部の魅力発信委員会。安達拓未委員長は「ものづくりのまちとして産業観光を推進している燕三条だが、観光客向けのコンテンツが足りない。観光客に土産物として職人の思いや技術のこもった土産物を販売できるような仕組みが何かできればと思った」と話す。
「職人の顔が見えるような土産物を持ち帰ってもらうことで、愛着や信頼、もっと燕三条を好きになって、気に留めておくような土地になり、燕三条のファンが増える一助になれば」と期待している。
新潟ふるさと村では午前9時から午後4時まで、道の駅 国上では午前10時から午後4時まで販売する。キーホルダーを製作した10社・個人や担当者は次の通り。敬称略。