新潟県燕市と弥彦村で組織する燕・弥彦総合事務組合が運営するごみ処理場(燕市吉田吉栄)が1日の能登半島地震の影響で煙突が傾くなどして一部が稼働できなくなり、ごみ処理能力が半減していることから19日、長岡市に処理しきれないごみの一時的な受け入れを依頼した。
能登半島地震でそれぞれ焼却炉を2基備えたストーカ炉の煙突が傾き、流動床炉の煙突の上部がずれた。一時は4基のうち1基しか稼働していなかったが、流動床炉は復旧が完了して2基が稼働しているが、それでもストーカ炉は稼働できず片肺飛行の状態が続いている。
ストーカ炉の煙突は14日に撤去作業を行ったが、排ガスを大気に拡散希釈させるためには一定の煙突の高さが必要で、新たに煙突を取り付けなければ稼働が許可されない。
そのため、流動床炉の焼却炉は本来16時間の稼働のところ、24時間稼働にして焼却能力いっぱいでしのいでいるが、定期的に点検や機器の部品交換で稼働を停止する必要があり、その間のごみ処理を長岡市に受け入れてもらうことにした。
受け入れの依頼期間は、1月22日から3月29日までの間で20日ていど。燕市分水地区の可燃ごみを1日約12トン、長岡市寿クリーンセンター(長岡市寿3)と長岡市中之島クリーンセンター(長岡市中条新田)で受け入れてもらう。
とくに長岡市中之島クリーンセンターは信濃川をはさんで分水地区の対岸に新設され、分水地区からは燕・弥彦総合事務組合のごみ処理場よりも距離的に近い。加えて長岡市に所属する業者が分水地区のごみを収集しているのも好都合だ。
19日は燕・弥彦総合事務組合の管理者の鈴木力燕市長と副管理者の本間芳之弥彦村長がアオーレ長岡を訪れ、長岡市の磯田達伸市長に新潟県災害廃棄物等の処理に係る相互応援協定にのっとってごみ処理の要請書を手渡した。
鈴木市長と本間村長は、ごみ処理場の状況や地元の被害状況を話し、磯田市長は「お互いさまで、わたしどものの能力を精一杯、使って受け入れさせていただきたい」と快諾した。受け入れ期間は約3カ月だが、復旧には半年かかると見られ、磯田市長は「申し入れは一応3月30日までとなっているが、その後も必要性があったら延長したい」と述べた。
鈴木市長は「今回、暖かい言葉をいただき、それに甘えさせていただき、市民の生活に影響がないような形で処理することができるのは本当にうれしく、ありがたい」、本間村長は「今回の申し出に対してわたしどもとしては大変心強く、ありがたい」と感謝した。