新潟県三条市の法華宗陣門流総本山「本成寺」(鈴木日慧管長)でことしも「節分」の2月3日に営まれる節分大祈願会で鬼踊りを演じる本成寺鬼踊り奉讃会(小林敏文会長・会員17人)の本番に向けた練習が始まり、夜ごとに境内には鬼の声が響いている。
本成寺の鬼踊りは三大鬼踊りのひとつとも言われ、毎年2万人前後もの参拝客を集める三条の名物行事として広く知られる。運営するのは、法華宗陣門流の檀家の有志で組織する本成寺鬼踊り奉讃会。21日から週末と本番当日に計16カ所で施設慰問、出張公演に出向くため、16日から毎晩午後8時から本番と同じ本成寺の本堂で練習を重ねている。
ことしの会員は新人はなく、ひとりが亡くなり、24歳から70歳近くまで17人。1年ぶりに鬼の感覚を取り戻すために足踏みの練習から始め、18日は初めて面を着けて練習した。
練習前に「南無妙法蓮華経」と題目を唱え、読経してから、太鼓とどらの音に合わせて一列になって足踏みを繰り返してウオーミングアップ。体を暖めてから会員を変えて2回、鬼踊りを通しげいこした。
本番では本来、本堂の正面と左右の三方に畳敷きの舞台を設ける。昨年まで感染防止のため左右の舞台の一部も正面の舞台にくっつけて広くした正面の舞台だけで行ったが、ことしは4年ぶりに元通り三方に設置する。
そのため、舞台は昨年より狭い12畳のスペースになったため、狭くなった舞台を意識しながら練習。指導するベテラン会員は「踊りながら自分の場所を確認して」、「くっつき過ぎない」、「腰を下ろして」、「もっとメリハリをつけて」と、時に手取足取りで指導した。
踊りは最後に参拝者の豆つぶてを浴びて倒れて終わる。踊るのは赤、青、黄、緑、黒の5色の鬼と三途川婆。練習でもあおむけに倒れると、疲れてしばらく身動きがとれない。天を仰いで白い息を吐き、面を取ると顔も髪も汗にぬれ、白い湯気が上がった。
練習が終わると通称「鬼部屋」で練習を撮影した動画をプロジェクターで映し、自分の踊りを客観的にチェックし、次の練習の課題にしようと頭に入れていた。
会長の会社員小林敏文さん(56)は、1期3年の会長の任期を務めたが、ことし再任されて2期目になった。小林さんは「一期目は中止や舞台がひとつで終わった。会員が舞台が3つのときを経験させてあげたいという話をあとあと聞いた。ことし初めて3つの舞台を内陣から見させていただく。皆さんがこの練習で悔いのないよう、また通常の鬼踊りに戻ったことを喜んで元気いっぱい踊ってくれることを願っている」と話していた。
鬼踊りは3日の午前11時から事業繁栄祈願、厄歳お祓い祈願(事前申し込みが必要))、午後2時から一般参詣者 (本堂の入堂は有料で事前申し込みが必要)。一般の人も見学できる出張公演の日程は次の通り。スケジュール
■1月21日(日曜日)
■1月27日(土曜日)
■1月28日(日曜日)