えちご中越農業協同組合(吉田文彦経営管理委員会会長・新潟県長岡市)は26日、元職員が6年2カ月間で総額1,310万円を着服していたことがわかったと発表した。
着服していたのは昨年2月の4JA合併前のJAにいがた南蒲農業協同組合の時代からある「なんかん南営農センター」(長岡市中之島)に勤務する50代男性の元職員。2017年8月から23年10月にかけて複数回にわたり、生産組織の費用支払で生産組織の会計担当者から現金を受領したのにその現金の一部を支払いに充てず、自身の生活費や借金返済に充てる目的で着服。ほかにもイベントの売り上げなどで発生した現金も精算せずに同様に着服していたた。
ことし1月5日に生産組織から取引先への支払いが滞っていると問い合わせがあり、内部調査を行って7日に元職員に確認して発覚した。その後も内部調査を継続し、17年8月から23年10月の6年2カ月間で総額1,310万円を着服した。着服したなかからそれ以前に着服した分の穴埋めに充てたものもあり、実被害額は756万円だった。
同組合は元職員は23日付けで懲戒解雇処分とした。被害額はひとまず組合が補てんし、元職員に対して弁済を求める。刑事事件として告発する方針だ。
JAにいがた南蒲農業協同組合では、2020年にも約400万円の業務上横領があった。当時、すでに今回の着服があったが発見できなかった。
同組合では今回の事態を厳粛に受け止め、役職員一同深く反省し、さらなるコンプライアンス意識の向上と内部管理態勢の一層の強化を図り、一日も早い信頼回復に向けて役職員一丸で誠心誠意取り組むとしている。