新潟県田上町の特産のタケノコのPRの取り組みの一環で昨年、スタートした田上産タケノコでメンマを作る「たがみメンマプロジェクト」。25日の田上町の学校給食にその「たがみメンマ」をトッピングしたラーメンが登場した。
レシピを考えたのは、となりに田上町学校給食共同調理場がある田上町中学校の西島彩栄養教諭。年間の中華めんの日が決まっていて、24日から30日までの「全国学校給食週間」のタイミングに合わせてこの日の献立に組み込んだ。
約15kgの塩漬けされた状態のたがみメンマを塩出しし、しょうゆ、酒、みりん、砂糖、鶏がらスープなどで煮込んだ。小さくさいの目に切って1人に大さじ1杯分ほどのトッピングを用意。ショウガしょうゆラーメンのスープに自分で中華めんを入れてからトッピングし、春巻きやコマツナのナムルとともに味わってもらった。
2020年にオープンした「道の駅たがみ」(馬場大輔駅長・田上町原ヶ崎新田)が中心となって22年から田上町の地域課題を魅力に変えるアートプロジェクト「たがみバンブーブー」が行われている。
23年は開駅3周年ということで、誰もが素人だった関係者が富山県のメンマ加工業者へ出向いて研修してノウハウを持ち帰り、田上町のタケノコを使ってメンマを完成させた。昨年10月から「たがみめんま」として販売し、そのメンマをトッピングした「たがみめんまラーメン」を道の駅たがみの食堂で限定販売し、好評だった。
昨年9月に道の駅たがみで行われた「たがみバンブーブー」のオープニングセレモニーで、田上中学校(栗林操校長・生徒227人)は、生徒による出し物や、生徒が考案したスイーツやグッズの販売を行った。
その過程で馬場駅長は「放置竹林の課題解決には取り組みを知ってもらうことが大切。地元の子どもたちに地域のタケをこうやっておいしく食べることができるんだよとちゃんと伝えることが非常に重要だと思った」。
そこで来年のプロモーション用に残してあった「たがみメンマ」の一部を使って学校給食の献立に使えないかと栗林校長に提案し、西島栄養教諭と相談して実現した。「地産地消と放置竹林対策ということで、今回の献立はエシカル消費がテーマ。エシカル消費は自分のためだけじゃなく環境だったり、まちづくりや人のことも考えるということで提案した」と話した。
25日は馬場駅長と開発リーダーの湯田上温泉・ホテル小柳の元料理長・小柳君夫さんも学校を訪問した。給食の間、「たがみバンブーブー」のオープニングセレモニーで司会を担当した放送委員会の3年生4人がたがみメンマプロジェクトについて放送し、馬場駅長、小柳さん、西島栄養教諭にインタビューした。
放送委員長の安中陽菜さん(15)は「タケを食べる日が来るなんて思わなかった。メンマの角切りはあまりないので斬新でびっくり。こりこりした食感でおいしかった」と大満足だった。
栗林校長は「今度はタケを切るところから中学生に体験させてみたい」とさらに深掘りしたい考えだ。
田上中は馬場駅長の母校。校章には若竹の緑色が使われている。馬場駅長は「たがみバンブーブーとたがみメンマで日本で唯一のポジションが取れると思う。田上町ブランド戦略協議会としても後押ししてもらえたら」。プロジェクトはまだ始まったばかりだ。