金属製カトラリーや家庭用厨房用品の集積地で知られる新潟県燕市と産業団体は、1日の能登半島地震で仮設住宅への入居を余儀なくされる被災者に地元企業が提供してくれた台所用品を届けて支援する。
その名も「能登半島地震仮設住宅入居者応援グッズ寄贈プロジェクト」。市内産業団体の会員、組合員企業から無償で寄せられた家庭用厨房用品のセットを仮設住宅への入居者に届ける。
セットは鍋、フライパン、ケトル、おたま、ターナー、ボール、ザル、包丁、まな板、スプーン、フォーク、はし、皿、お椀、汁椀、雑巾の16種類、38品を、寄付された段ボール箱に詰めて届ける。
実施主体は燕市と燕商工会議所、吉田・分水商工会、日本金属洋食器工業組合、
日本金属ハウスウェア工業組合、協同組合つばめ物流センター。その連名で「お贈りしました調理器具で温かい食事を作っていただき、力強い復興の第一歩を含みだしてください」とあるメッセージも一緒に届ける。
29日から31日まで「つばめ物流センター」の事務所で寄付用品を受け付け、30日に産業団体や市職員で梱包(こんぽう)作業を行う。輪島市から2月1日の午後1時から4時までに仮設住宅を建設する輪島キリコ会館に搬入してほしいと要望があり、31日午後1時半から運送トラックに積み込んで出発する。
燕市では、中越地震や中越沖地震、東日本大震災でも同様に厨房用品などを被災地へ届けて避難生活を支援してきた。第1弾として仮設住宅が完成し、2月から入居が始まる石川県の珠洲市と輪島市へ向けた58セットの梱包作業を1月30日、つばめ物流センターで行い、31日以降に順に石川県内へ届ける。
寄贈の数は石和県と調整するが、500セットていどを予定。29日の定例記者会見で鈴木力市長は「業界の皆さんから寄せられた善意は非常にありがたい。ぜひ被災地の方々は大変な状況なので、少しでもお役に立てればと産業界あげて取り組んでいく」と支援を約束した。
23日現在、石川県内の仮設住宅建設着手数は、輪島市、珠洲市で166戸、能登町・穴水町で81戸、七尾市30戸の計277戸で、ほかにも志賀町、内灘町も建設が予定されている。