済生会新潟県央基幹病院で竣工記念式典　県央5病院を再編しER救急体制を整備 (2024.2.5)

3月1日開院する新潟県央基幹病院（三条市上須頃）で4日、竣工記念式典が行われた。燕労災病院と三条総合病院を統合し、県央地域の5つの病院を再編。ER救急体制を整備し、県央医療圏の救急搬送約8,000件を現状の75%から95%に引き上げる体制を構築する。

新潟県央基幹病院竣工記念式典

9階建てで一般病床396床と感染病床4床の合わせて400床を備え、整備基本計画の22科すべてを含む31科を設置。開院より遅れて精神科、小児科科、産婦人科は4月1日、形成外科は7月1日に設置する。

新潟献納基幹病院

ER救急「断らない救急」として圏域内救急の最後のとりでとして年間約6,000件の受け入れを目指す。手術などの急性期医療の充実、高度・専門的な医療提供に重点化、魅力的な教育・研修環境による医師の育成を図る。

スタッフは医療スタッフが医師69人、看護師429人、ほか173人、事務など45人の計173人体制となる。総事業費は約380億円。

定礎除幕式

竣工記念式典は100人近くが出席。花角英世知事と鉾岩崇(株)佐藤総合計画取締役社長、中原俊之清水建設(株)執行役員北陸支店長の3人で入り口近くにはめ込まれた定礎の除幕式を行った。

花角知事は式辞で、県央地域は年間約8,000件の救急搬送のうち約4分の1が圏域外の新潟市、長岡市に搬送され、専門医療に対応できる病院がないなど課題を抱えていたが、燕労災病院と三条総合病院を再編統合し、県央基幹病院を整備することになったと背景を話した。

花角知事

ER救急体制の整備に加え、済生会三条病院、県立加茂病院、県立吉田病院の急性期機能を集約。指定管理者の済生会の実績やノウハウ、伝統ある全国グループとしての力やスケールメリットを生かした効率的、安定的に運営に期待した。

「新潟県央基幹病院を中心に病院、診療所などの役割分担と連携で、地域がひとつの病院のように機能することで住民が県央地域で安心して生活できる医療提供体制の構築を目指す」と述べ、来賓祝辞に移った。

菊田真紀子衆院議員

菊田真紀子衆院議員は「きょうお集まりの皆様がそれぞれの立場それぞれの分野で、本当に最大限の力を発揮してくださいまして、このような夢のような立派な病院が竣工した」。

細田健一衆院議員は「使い手としてのユーザーとしての患者教育、一般市民への広報、教育ということに私も自分なりに努力をしていきたい」。

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三条市長として県央基幹病院竣工に向け尽力した国定勇人衆院議員は「私なりに努力し、墓場までもっていかなければならないこともいくつかあるが、さまざまな難局を乗り越え、県央基幹病院の竣工を迎えるこの感慨深さ、この思いの深さを言葉にするには、とてもとても思いが強すぎてこれ以上の言葉が告げない」。

佐藤信明衆院議員は、開院に福島県只見町と三条市を結ぶ八十里越開通や石上大橋下流橋建設が間に合わなかったことにふれ、「おわびを兼ねて大急ぎでやりましょうというふうに申し上げたい」。

県議時代から新潟県の医療体制の検討にかかわった小林一大参院議員は「きょうがゴールではない。地域の皆さんと力を合わせて県央基幹病院を素晴らしい病院にしていく。それが我々に与えられた役目だと思う」

楡井辰雄県議会議長は「県議会としても県民一人ひとりが安心して暮らせる新潟県を目指し、今後とも地域医療体制の充実をはじめ各種施策の充実に努めていく」。

滝沢亮三条市長は「県立の病院で運営するのは済生会だが、三条市は立地自治体の責任として救急車が1分でも1秒でも早く届くように引き続きインフラ整備を進めたい」。

鈴木力燕市長は「平成21年に救急救命センターを併設した病院のあり方検討会議が立ち上がり、14年の歳月をへて待望の悲願のこの日がやってきた。関わってきた人間として本当にうれしく思う」。