公益社団法人日本水道協会の要請を受けて新潟県県央地域の行政の職員と三条市の水道工事業者と三条市の水道工事会社がチームを編成して10日から15日までの6日間、能登半島地震から1カ月以上たっても広い範囲で断水が続く石川県七尾市で水道施設の漏水の調査、復旧に取り組んでいる。
チームは、水道事業者の三条市、燕市・弥彦総合事務組合、加茂市から2人ずつと三条管工事業協同組合(小柳潤一理事長・23社)の依頼を受けた株式会社サカイ(坂井亮太社長・三条市高屋敷)の社員5人のいわば「県央チーム」。それに工事中の安全を確保する交通誘導員2人も帯同している。
被災地では日本水道協会が全国に応援を要請した水道事業者をチーム編成してエリアを振り分けて活動しており、三条市らのチームは恵寿総合病院を含む海に面した約500メートル四方ほどのエリアを担当。七尾市の南に接する被害の少ない氷見市に宿泊しながら担当にエリアに出向いて毎日、作業している。
作業はエリアのバルブをいったん全部、締めてから水を通しながら確実に漏水がないことを確認してから通水。漏水カ所は修理して1日も早く水を出せるように取り組んでいる。
漏水カ所のほとんどは本管ではなく、本管から各家庭へ水道水を送る枝管。13日時点で本管も1カ所、直す必要があったが、修理が難しく、後回しにしていたが、活動期間の15日まで担当のエリアの工事はすべて終わる見通しだった。
サカイは、水道復旧工事に必要なユンボやダンプ、装備などをそっくり持ち込んで作業している。作業自体は地元でやっているのと同じことだが、忘れものがあっても簡単に取りに帰られないので、「不安しかなかった」と坂井亮太社長(41)は正直に話す。
氷見市なら営業しているコンビニ店も多いが、食料が確保できないことを想定してカップラーメンを持参し、昼は現場でカップラーメンをすすっている。
坂井社長は新潟県内でとくに被害が大きかった新潟市西区でも1日だけ水道の復旧工事に出向いてた。七尾市も「大体、似たような感じだけで、本管が漏れてなくてよかった」。また、「水が出ないからみんな困ってて、1軒1軒の人が出てきて、水いつ出るの?って聞いてくるけど、早く出してあげて喜ばれている」とやりがいを感じていた。
また、田上町羽生田地区の定福寺の住職が修業した横浜の總持寺の前身、石川県輪島市にある総持寺祖院は、2007年の能登半島地震で境内の30棟の建物がすべて被害を受けた。
輪島市の中心地では、倒壊した7階建てのビルや200棟が全焼した朝市通りは、まだ手つかずの状態。その周辺でもほかにも倒壊した建物が多く、地震の揺れによる建物被害は東日本大震災を上回る惨状になっている。