新潟県三条市の県立三条東高校の美術教諭を長く続けた見附市の洋画家、池山阿有(あゆう)さんが2023年9月9日に85歳で死去した。その追悼小品展「見附を描く」が25日(日)まで「ギャラリーみつけ」(見附市昭和町2-4-1)で開かれている。
池山さんは1939年に見附市で生まれ、長岡高校3年で県展初入選。63年に多摩美大を卒業し、翌64年から公立高校美術教諭になり、91年まで19年間にわたり三条東高に勤務したこともあり、その教え子で三条市に若手洋画部ループ「火曜会」誕生した。
見附市でも池山さんを師と仰ぐ絵画グループが生まれ、後進育成の貢献は大きい。三条市美術展の運営委員も務めた。
長く描き続けたいろりにお年寄りなどが集う情景を描いた「炉ばた」シリーズが代表作。日展審査員、中央の美術団体光風会の名誉会員までのぼりつめ、2018年には紺綬褒章を受けている。
池山さんに学ぶ見附師のグループは昨年10月に偲ぶ会を開き、グループ展のなかで池山さんの遺作を展示。ギャラリーみつけでは初めての追悼展で、同ギャラリーが所蔵する地元見附の風景や行事を描いた小品やスケッチ28点が展示されている。
1995年から2006年にかけて、見附の風景や伝統行事を取材して描かれたもの。「見附文化財散歩」(見附市教育委員会)や「見附の風景」絵はがきの挿し絵や原画に使用された作品も含まれている。
風景や人物が素早いタッチで表現され、池山の油彩とはまったく違った明るさや躍動感が感じられる。
午前10時から午後9時まで開館、月曜休館、入館無料。問い合わせはギャラリーみつけ(0258-84-7755)。