新潟県燕市の市立小池中学校で2015年度から生徒が地域住民と協働して主体的に地域貢献活動などを行う「糸半(いとはん)プロジェクト」が、このほど「キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰」を受賞した。
このプロジェクトは、生徒会本部が中心となり、15年度に青少年の活動を補助金で支援する燕市の「羽ばたけつばくろ応援事業」を活用してスタートした。生徒が縦糸、地域の人が横糸として互いの力を出し合い、きずなを深めるという願いが込められている。名称は「糸半」は、「絆(きずな)」の字を分解した。
これまで3年生による「防災」視点を取り入れた「地域福祉」の報告や、地元企業とコラボレーションしたベンチ制作など、生徒会が代替わりしながら活動を継続している。
受賞理由は、地域企業と共同して新商品開発を行うなど主体的に課題を発見していく力や創造性を育む取組となっていること、地域企業や自治体と連携して地域への愛着、誇り、理
解を育み、地域を担う人材の育成に貢献していることが評価された。
この表彰はキャリア教育の充実促進を目的に毎年度行われており、燕市では17年度に燕市教育委員会が行う「Good Job つばめ推進事業」が表彰されている。今年度は第15回で1月19日に表彰式が行われ、新潟県内ではほかに長岡市教育委員会、胎内市立中条小学校、県立新潟商業高校が_受賞している。
9年間にわたるプロジェクトの活動を見てきた鈴木力市長は、29日の定例会見で「素晴らしい取り組みだと思っていたが、国からも評価されて非常にうれしく思っている」と受賞を喜び、今後も「ぜひ小池中学校にはしっかり取り組んでもらいたいし、こういった取り組みがほかの中学校に波及することにも期待したい」と述べた。