三条看護・医療・歯科衛生専門学校(追手巍学校長・新潟県三条市上須頃)の令和5年度卒業式が7日、燕三条ワシントンホテルで行われ、3年制の看護学科39人と歯科衛生士学科43人、2年制の医療事務学科17人の3学科合わせて99人が巣立った。
2020年に開校し、3学科の卒業生がそらったのは昨年に続いて2年目。卒業生の多くがはかまで参列し、保護者も出席した。
追手学校長から各学科代表に卒業証書授与し、追手学校長が式辞。「ぜひ頑張っていただき、皆さまの母校の専門学校卒業という誇りをもって活躍していただき、いい医療人になっていただきたい」と卒業生に期待した。
すでに県央基幹病院に勤務している医療事務学科2年増田百華さん(20)が卒業生答辞で2年間を振り返り、「私たちはあしたから医療人としてそれぞれの夢に向かい、別々の道に歩み始める。卒業生全員には一人ひとり違う未来が待っているが、ここで過ごした日々を決して忘れない」と述べた。
来賓で国定勇人衆院議員が、熱い祝辞を述べた。国定氏は、自身が来賓に招かれたのは、元三条市長という立場でと思うと話し、同専門学校の設置に至る経緯を振り返った。
三条市長として高校卒業後にこの地にとどまるべき高等教育機関がひとつもなかった。他方で県央基幹病院は長年の地元の悲願で、「私たちは一生懸命、県央基幹病院の誘致に励んだ」。
「ただ単にお願いをするだけでは、私たちの果たすべき覚悟がしっかりと県には伝わらないのではないか」と考え、三条市自らがしっかりと高校卒業後に医療分野で活躍する学生を育て、願わくば県央地域で医療機関に従事してもらう、若い志のある人をこの地で育て上げたいと、NSGとともに同専門学校を立ち上げた。
そのうえで、同専門学校を設置するために三条市民が稼いだ給料から預かった税金を投じらていることを「心のどこかにいつもしまっておいていただきたい」と求め、同時に「三条市民からのエール」でもある。
「ふつうの就職をするのとは違う、圧倒的な社会的な役割を皆さんはすでに心の中に、体の中に染み込みながら卒業し、これから働いていく。そういう高い誇りと矜持を持ち、それぞれの道を歩んでいただきたい」。
最後に「どうか皆さんもこれから先、さまざまな困難にめぐりあったときに、ほんの少しでもきょう私が申し上げた三条市の期待を皆さまがすでに帯びているんだということを肝に銘じていただきながら、輝かしいこれから先の人生を歩んでいただきたい」と期待を込めた。