新潟県燕市で来年3月のオープンを目指して整備が進んでいる「屋内こども遊戯施設」の安全祈願祭が9日、燕市大曲地内の建設地で行われ、いよいよ本格的な建設工事が始まる。
屋内こども遊戯施設は、遊び場の整備、とくに屋内型の遊び場へのニーズの高さに応えて計画された。
建設地は燕市体育センターの向かい。敷地約1万平方メートル、延床面積:約1500平方メートルの鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上2階建て。遊戯スペースや交流スペースを備える。
工期は1月25日から来年1月20日まで。3月の供用開始でプレオープンを想定し、4月のグランドオープンを目指している。
安全祈願祭には地元選手の代議士を来賓に関係者ら約60人が参列。戸隠神社の星野和彦宮司は、神事を行って工事の安全を祈願した。
最後のあいさつで鈴木力市長は、人口減少対策で子育て世帯への支援策をさらに充実していく必要があると職員プロジェクトチームを立ち上げてアンケートをとった結果、子育て世帯の多くが天気に関係なく冬の日も雨の日も体を使って遊べる場所がほしいという強いニーズがあることがわかったと、2019年から建設の検討を始めたことから話した。
地域住民の声を受け、市議会の一般質問などでもそうした施設の建設を求める提案があったが「当初、私はちょっとなかなか踏ん切りがつかなった」。というのも人口減少社会のなかで、公共施設の数を減らしていかなければならないと、古くなった建物の改修や複数の施設の統合に取り組み、「新しい施設を作るということはあえて避けてきた」。
しかしこれからの人口減少を考えて子育て世代が望む施設を作ることが必要と考えを代えた。「どうしても先にやるとその後、追随してくる自治体があるなかで、しっかりとよそになかなか真似できない施設を作ることが“子育てするなら燕市で”を強くアピールできるんじゃないかと、4期目を目指すにあたってですねそれを一つの公約に立ち上げて取り組んできた」。
市議会の提案も受け、建設地は市外の人からも人気のスポットである交通公園、こどもの森の近くを選び、「この地域は子育て世帯にとってもメッカになるという提案もいただきながら、この場所に決めた」。
経費が懸案だったが、事業費、建設費の調達はクラウドファンディング型のふるさと納税を活用し、結果的には40億円を集め、ほぼ目標を達成。さらに令和5年度の国のデジタル田園都市国家構想の交付金を受け、6年度分も申請。「要するに一般財源、市民の税金を使わずに建設費用を調達できた」と胸を張った。
「どうせ作るならいいものをと市議会の皆さんから言われて、違う世代の人たちに集まってもらうワークショップを重ねながら、ニーズを取り込んだ施設設計ができあがった思っている」と述べ、工事の安全を願った。