新潟県燕市・燕市産業史料館の名物学芸員として知られ、昨年9月放送の『ブラタモリ』燕三条編にも出演した齋藤優介さん(45)が、今年度末で燕市職員を退職。新たなステージに踏み出す。
燕市出身で新潟第一高校、京都造形芸術大学を卒業して帰省し、越後ジャーナル社、燕市教員補助員、中学校美術教諭を経て2003年から燕市に採用され、燕市産業史料館の初めての常勤の学芸員となった。
17年から燕市観光協会で観光開発にも取り組んだ。雑誌、新聞、ラジオ、テレビ、講演会などで活躍。ラジオ番組のコーナーを担当し、タウン情報誌で食に関するコラムを連載したこともある。
退職後は起業も考えたが、求められたこともあり、ひとまず株式会社つばめいとの社員となり、身内が経営するデザイン事務所「Ibiza」の役員にも就く考えだ。
「博物館というコンテンツをプロ学芸員として地元の経済、産業と協働すればあらゆる地域のブランディングにつながると思う」と新たな視点で地域のブランド化を構想する。
大学在学中の1999年に東大チームに同行してイタリアで発掘調査にあたったときに当時、元東大教授だった元文化庁長官で多摩美大理事長、青柳正規(あおやぎ まさのり)氏と知り合った。その後、人間国宝の燕市の金工家、玉川宣夫さん(82)の映画を制作したときに文化庁長官だった青柳氏と2016年に再会した。
くしくもその青柳氏を講師に迎えて23日に開かれる燕市産業史料館50周年記念講演会が齋藤さんの置き土産となる。参加の問い合わせは燕市産業史料館(0256-63-7666)へ。