新潟県燕市で17日、令和5年度燕市二十歳のつどいが行われた。対象者739人のうち79.7%に当たる584人が出席し、二十歳の節目を契機に新たな門出を祝った。
鈴木力市長は式辞で、「二十歳を迎えた若者たちがふるさと燕に集う、きょうという日をあらためて自分の将来の夢や目標を定め、これからの社会でどう行動していったらいいかを考える大切な日にしてもらいたい」と述べた。
史上初の8冠を達成した藤井聡太棋士、WBCで日本優勝に貢献した米大リーグの大谷翔平選手の2人の若者の活躍に至るエピソードや考え方などを紹介した。
2024年本屋大賞ノミネート作品の『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈著・新潮社)と続編の『成瀬は信じた道をいく』(同)を紹介。主人公の成瀬あかりの生きざまを話し、「自分がやりたいと思う夢や目標に向かって、失敗を恐れることなく、どんどんチャレンジしていってほしい」と求め、「ひとりのおとなとして、どんなに小さいことでもいいから、地域社会や困っている人のために、自分に何ができるかを考え、行動してくれると私はうれしい」と期待した。
「私は、皆さんがそれぞれ自分の夢や希望に向かって歩んでいくとともに、燕市、新潟県、日本の未来を切り開くため、さまざまな分野で活躍していることを期待する」とエールを贈り、「二十歳の若者たちが築き上げていく未来が素晴らしいものとなるよう祈る」と締めくくった。
二十歳を代表して2人が決意を述べた。分水中出身の矢引勇成(やびきゆうせい)さん(20)と吉田中出身の遠海優月(とうみゆづき)さん(20)の2人があいさつした。
矢引さんは国際調理製菓専門学校を卒業し、上京して東京・六本木のイタリア料理店で働く。将来は燕市で気軽に訪れることができるビストロを開き、経営者としての成功を目指す。
「ゆっくりだが、前に進めているのも無償の愛を注いでくれた家族、つらいときや楽しいときをともに過ごした友人、進路を導いてくれた先生など周りの人の支えのおかげ」と感謝し、「私たちはそれぞれ描いている未来や夢が違う。自分なりの生き方を模索しながら歩んでいる最中。これからも温かく見守っていただけたらうれしい」。
遠見さんは燕市役所に就職し、4月に用地管財課から会計課に異動する。「自分がする業務について、深く繰り返し知識が身に付いているなと日々、感じている。仕事を通じて市民から感謝されることがあったりほかの職員の困りごとに私がもつ知識で、解決まで導くことができたときは、人のために力になれて良かったとうれしく思い、やりがいを感じる。現在は誰からも信頼される職員になる強く思い、日々励んでいる」と市役所勤務を振り返った。
両親や上司、地域の人たちへの感謝の気持ちを忘れず、「日々、精進していきたい。まだまだ未熟な私たちに先輩からのより一層の指導をお願いし、すべての二十歳にとって晴れやかな門出となることを願い二十歳の決意とする」とそれぞれ述べた。
また、来賓祝辞では、細田健一衆院議員に加えて、衆院選小選挙区の区割り変更もあり、初めて菊田真紀子代議士と国定勇人代議士が出席し、祝辞を述べた。それぞれの祝辞の概要は次の通り。
2つだけ申し上げる。皆さんの夢や希望、好きなこと、感じたこと、興味のあるものを本当に大切にし、実現するように、歯を食いしばって1日1日、少しの時間でもいいから夢や希望の実現のために頑張ってほしい。
それを続ければ今、思い描いている場所とまた違う場所かもしれないが、おとなになったときに、ある見晴らしのいい場所に自分がいること気がつく。もう一つ、家に帰ったら親や家族にありがとうという一言だけで十分なので、お願いしたい。
もうすでにそれぞれの足で自分の進むべき道にしっかりと歩みを進めておられることと思う。これから先、長い人生、本当にいろんなことがあると思う。
思うようにいかないことの方が多いかもしれない。それでも皆さんの後ろには本当に多くの人が、応援をしているということを信じて、どんなことがあっても、たった一度の人生、自分だけの人生を精一杯生きていっていただきたい。
人間の器を大きくすることができるのは若いうちしかない。25歳までに何ができるのかにかかっている。
器を大きくするには、さまざまな経験を積むこと。旅に出て出会ったことのない人に積極的に声をかけ、交流し、多くの人からさまざまな話を聞く。旅をする時間も金もない、人見知りで多くの人に会う勇気がない人は、たくさんの本を読んで疑似体験を積み重ねていってほしい。
このたったひとつの取り組みをこれから先の5年間、続けていくことで、皆さんのこれから先の人生は大きく切り開かれていく。