新潟県燕市で唯一の幼稚園だった燕東幼稚園(園長・鈴木華奈子燕東小学校長)で21日、修了式を兼ねた閉園式が行われ、61年間の園史の幕を閉じた。これで燕市の幼稚園の歴史も終わる。
燕東幼稚園は旧燕市だった1963年(昭和38)に旧燕中学校の一部を使って「燕幼稚園」として2年保育を開園。独立した園舎をと68年(昭和43)に今の園舎が竣工した。77年(昭和52)に3年保育を開始して「燕東幼稚園」に改称した。
開園した年の園児は125人。開園から5年後の69年(昭和44)の248人をピークにその後は少子化もあって減少を続けた。今年度はついに4歳児と5歳児であわせて7人だけとなり、2,972人が巣立った。
かつては燕東、燕西、燕南、燕北の4市立保育園と私立の真幼稚園があったが、少子化による閉園や統合、こども園への移行などで、燕東幼稚園が最後の燕市内幼稚園に。これで燕市の幼稚園の歴史も終わる。
閉園式で鈴木力市長は、5歳児に「小学校に行っても元気良く頑張ってください」、4歳児に「新しい園で友だちをいっぱいつくって楽しく遊んでください」と話した。
燕東幼稚園のあゆみをまとめた動画を上映したり、園児が感謝の言葉を披露した。閉園式の間は新たな門出を祝うように青空が広がり、閉式して園児と保護者を前に最後のあいさつする教諭らはこらえきれず涙をあふれさせていた。
参列した小林靖直教育長(59)も燕東幼稚園の卒園生。しょっちゅうけがをして今でも額に当時のけがが残り、救急車を呼ぶほどの“きかん坊”だったと自称し、私の心の学びや。寂しいがまた、この次につなげていきたいと考えている」、「大きな愛で育てていただいた」と感慨ひとしおだった。