2月の記録的な高温もあって、ことしは桜の開花も早まると見られていたが、3月は一転して寒の戻りが続いてか全国的に桜の開花が遅れ、東京では平年日の24日を過ぎてもまだ開花していない。新潟の開花の平年日は4月8日でまだまだこれからだが、燕市内では早咲きのカワヅザクラ(河津桜)が咲き始めた。
このカワヅザクラがあるのは、燕郵便局のはす向かいの国道289号沿いにある小林力さん(53)経営の理容店「アートスペース リキ」(燕市杣木)の隣りの緑地帯。2本のカワヅザクラがあり、28日には三分咲きていどになった。
ソメイヨシノに比べて花びらの色は赤みが強く、樹高は低く枝を大きく横に広げる。ドライバーの目に止まり、近くに来て写真を撮る人も多く、ちょっとしたフォトスポットにもなっている。27日から毎晩午後6時から7時過ぎまで2灯の投光器でライトアップも行っている。
小林力さんは毎年、開花を観察し、記録している。2021年は15日、22年は24日、昨年23年は10日に開花している。ことしは最近ではやや遅い17日に開花した。
このカワヅザクラは、昨年11月に82歳で亡くなった父、小林榮一さんが2002年に燕市に寄付して植樹し、小林力さんが手入れして育てている。主は亡くなっても桜花の香りを東風が小林榮一さんの元に届けてくれるだろう。