「さくら名所100選」の新潟県燕市・大河津分水の桜土手などをコースにハーフマラソンを含む「燕さくらマラソン大会」が6日、開かれた。この日、新潟の桜の開花宣言があったものの桜土手に花はなかったが、この日は初めて大河津分水にコースを移して開いた2019年以来の好天に恵まれ、過去最多の1,870人がエントリーして春の燕で快走した。
地域別のエントリーは、燕市内476人を含め県内1,560人、県外が北海道から長崎県までの313人。ハーフマラソンの定員を昨年までの800人からことしは1,000人に枠を拡大したため、ハーフマラソンだけで全体の半分近い987人がエントリーした。
ことしも燕出身の燕市PRアンバサダーで五輪3大会出場の元マラソン選手の宇佐美彰朗さん(80)が参加。さらにゲストランナーとして昨年8月に燕市初のスポーツ大使に就任した青学の一員として箱根駅伝で鮮烈な活躍が記憶に残る燕出身でGMOインターネットグループ陸上部の岸本大紀選手(23)が参加し、元オリンピアンと未来のオリンピアンと期待される燕市出身の2人が顔をそろえた。
競技はハーフマラソンのほかに10km、3km、2km、ウォーキング5kmがあり、2kmでは親子ペアの種目も行った。鈴木力市長、宇佐美さん、岸本選手はそれぞれスターターも務めた。
岸本選手は10kmで一般ランナーと一緒に走り、2位以下を大きく引き離す30分20秒のタイムでゴールした。
岸本さんは13日に熊本県で開かれる金栗記念選抜陸上中長距離大会の5,000mに出場をする。「来週のレースにむけて調整もそうだし、地元の方々からパワーをもらって頑張ろうかなと思って来た」。
ゲストランナーを務めるのは、ことしに入ってこれが3回目。1km3分くらいで走ろうと思ったが、「案外、コースに上り下りがあって声援に応えてたらちょっと遅くなったけど、まあいい練習だった」と笑顔。「次は日本選手権がまず目標になるので、そこに向けて燕さくらマラソンを走ってしっかりパワーをもらって頑張っていきたい」と話した。
岸本選手の周りを常にファンが取り囲んだ。地元の知り合いも多く、岸本選手は笑顔で一緒に写真に写っていた。
今も陸上の指導を続ける宇佐美さんは、「ここまで市民が絶対的に関心をもたざるを得ないチャンスは、わたしが生まれ育ってるときにはまずなかった。うらやましい」と燕市の取り組みに感心していた。
また、東日本大震災では燕市に多くの人が避難した福島県南相馬市から、ことしもランニングクラブMAXに所属する小学校5年生から中学校1年生までの7人が参加。うち3人が入賞の好成績だった。
ことしは春休み中の開催となったため、燕市に前泊して出場。大会後は燕市産業史料館でものづくりの体験をして帰った。燕市と関係の深い新潟ヤクルトから10人以上がまとまって参加していた。