運輸業で県内の最大手の新潟運輸株式会社(坂井操代表取締役社長・新潟市中央区)と新潟県三条市は19日、包括連携協定を締結した。三条市の魅力や市政の発信、防災対策、地域の安全・安心、交流人口・関係人口の増加など、幅広い分野での連携を通じ、地域の活性化を図る。
新潟運輸は1943年(昭和18)設立で昨年10月に80周年を迎えた。法人の引っ越しサービスや全国各地の名産品を配送する「ふるさと直送便」、国土交通省認可の機密文書処分サービスなど物流を通じた取り組みも積極的に行って顧客と地域経済に貢献している。
自治体と協定を結ぶのは、新潟県との災害応援協定に始まり、80周年を記念してこれまで燕市、上越市、新潟市と包括連携協定を結んで三条市で5件目となった。
19日は市役所で締結式を行い、坂井社長と滝沢市長が協定書に署名した。新潟運輸は、三条市金子新田に三条支店を置く。坂井社長は「いちばん頼りにしていただけるのは防災と思う」として、トラックの数が多く、敷地も災害に強く、「最大限に活用いただきながらわれわれも応援していきたい」と話した。
三条市で9人が犠牲になった2004年の7.13水害当時、坂井社長は三条支店の支店長だった。五十嵐川の決壊でも三条支店は何も被害がなかった。家が浸水したドライバーもいたが、新潟市からの応援を得ていつも通りに配送、集荷を続けることができたと言う。
滝沢市長も7.13水害からことしで20年になることにふれ、「防災意識、災害の備えや対応がこれまで以上に注目され、われわれも頑張らなけれならなかで、新潟運輸から災害対応の面でも力添えをいただけるのは、いいタイミングで連携協定をさせていただいた」と三条市の防災力向上への貢献に期待した。