金属プレス製品製造の竹越工業(株)(燕市南2)は、19日までに債務整理を齋藤介弁護士に一任し、任意整理に入った。負債は約45人に対し約1億3000万円。
帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1939年(昭和14)創業、52年(昭和27)12月に法人改組された金属プレス製品メーカー。寸鍋や蒸し器、鍋など業務用のステンレス製を中心とした厨房製品を軸に、一般家庭用キッチンツールの製造を手がけ、2003年6月期には年売上高約2億5000万円をあげていた。
しかしその後、中国など海外製品の台頭や同業者との競合が加速するなかで、受注は低調に推移。23年6月期の年売上高は約1億3000万円にとどまり、原材料価格の高勝やエネルギーコストの上昇を背景として収益性に欠ける状況となっていた。さらに23年11月、前代表が死去したことで経営が急変した。
親族が一時的に代表に就任したものの、経営全般をコントロールする後継者が不在だった。熟練従業員の高齢化と人手不足への対応もできず、事業継続を断念した。