新潟県燕市の鈴木力市長は25日の定例記者会見で、柏崎刈羽原子力発電所の核燃料を入れる作業が始まり、24日に新潟県が6、7号機の再稼働による県内への経済波及効果を4396億円と発表したことなどに関する質問に対して、これまでと変わらず「現時点では再稼働すべきではない」とし、再稼働による経済効果は「ほとんどが立地自治体への効果」で、燕市などそれ以外の自治体への効果はないと話した。
鈴木市長は、不安や課題が解消されない限り再稼働の議論をすべきでないというのが自身のスタンスとし、住民の信頼が回復されないが限り再稼働すべきではなく、「そこは揺るがない」とあらためて強調した。
経済効果については、「少なくとも燕市の産業で、そこに関係するような企業とか雇用というのはないんじゃないか」と見る一方、「一度、福島原発のような事故が発生すれば、そんな経済効果は一発で吹っ飛んでしまう」、「損失額、マイナスの影響額も試算しないと再稼働の議論の材料にはならない」と懸念を示した。
原子力規制庁は、柏崎刈羽原発の運転禁止を解除したが、東電に対するの信頼関係が回復されてなく、「相変わらずいろんな不祥事がミスも含めてある」。
規制庁が解除の理由として「運転を的確に遂行する技術的能力がないとする理由はない」としていることについては、「こんな二重否定の理由で運転が再開するのはやっぱり不安。最低、あらためて国で東電は大丈夫と言ってくれる必要があるし、それができないなら、何かあったときは、国がちゃんと責任を取ると言ってもらわなければ納得してもらえない」。また、避難の道筋も見えてくる必要があると述べた。
また、3月1日開院した済生会新潟県央基幹病院については、救急搬送時間の短縮に貢献していることを評価し、「かかりつけ医をどうすればいいかという特別なプロジェクトを動かそうと検討を始めた」と話した。会見で発表した12項目は次の通り。