新潟県三条市の滝沢亮市長は26日、ベトナムのバリア・ブンタウ省で行われた三条市内のJV(共同企業体)4社が主体となったODA事業の総括会議セレモニーと、2017年に三条市とバリア・ブンタウ省で締結した「三条市とバリア・ブンタウ省人民委員会との覚書」を推進するための行動計画の調印式に参加した。
2017年に締結した三条市とバリア・ブンタウ省の覚書を推進するため、2024年から26年の行動計画の調印式を行った。行動計画の概要は、商工業、観光、農業及びその他の分野における相互理解の促進。バリア・ブンタウ省の産業振興に資する人材育成と三条市への人材送り出し。市民の観光交流の促進。学術研究活動の発展、充実に資する交流の促進。その他行動計画の円滑な実施など関する事項。
滝沢市長は24日からバリア・ブンタウ省に渡り、26日はODAプロジェクトで支援を受けた地元企業の試作製品を見学したあと、セレモニーと調印式に参加した。
三条市内のJVを構成する(株)高儀、(株)中條金物、(株)マルト長谷川工作所、北興商事(株)の4社は、バリア・ブンタウ省の現地企業に燕三条製品のブランド構築のノウハウ提供を行っており、その一環としてセレモニーに参加した。
セレモニーはバリア・ブンタウ省のパレスホテルで行われた。バリア・ブンタウ省人民委員会副委員長、滝沢市長、JICAベトナムホーチミン出張所の代表者のあいさつのあと、JV4社を代表して(株)高儀の高橋社長が今回のプロジェクトで生まれた共同ブランド「enii(エニイ)」を説明した。「eni」は燕三条ブランドがプロデュースし、バリア・ブンタウ省の企業が作る試作品。
バリア・ブンタウ省人民委員会のグエン・コン・ヴィン副委員長はあいさつで、相互の努力でODAプロジェクトが達成できたと話した。プロジェクトのおかげでIPCセンターを増設し、中小企業者にトレーニングを受けてもらい、両者が関係する共同ブランド「enii」を創出することができた。三条市とバリア・ブンタウ省で覚書にサインし、商工業の利益と協力関係を高めていくことに合意し、行動計画の締結でより強い関係を進めていきたいと述べた。
滝沢市長はあいさつで、ODAプロジェクトは、バリア・ブンタウ省の地域産業の発展に資するだけでなく、ベトナム国内での燕三条製品ブランドの浸透の礎となり、今回の取り組みは両地域の今後の産業発展に寄与するものと期待していると話した。
さらに、これまでのバリア・ブンタウ省と三条市のつながりを生かししつつ、次のフェイズとして商工業や観光、農業、教育等各分野での連携をより強化していく。人材育成や確保といった両地域の産業の発展に欠かすことのできない課題の解決をはじめ、幅広い分野で連携して取り組み、互いのさらなる発展につなげていきたいと述べた。