新潟県三条市神明町の神明宮(三上行雄宮司)で28日を宵祭、29日を本祭に春季例大祭が行われており、28日夜に行われた奉納神楽はピークで100人を超す参拝者でにぎわった。
三条市内の6社に伝わる32舞の神楽をまとめて「三条神楽」として1963年(昭和38)に新潟県指定民俗文化財になっている。6社のうち最も多い舞を伝承する神明宮は、三条神楽の中心的な存在だ。
神楽を舞うのは一ノ木戸神明宮三条神楽保存会(笹川浩志会長)。6人の伶人(れいじん)と小学校1年生から中学校1年生までの稚児11人が、28日夜に9舞、29日昼に11舞、29日夜に7舞を奉納する。
夜は午後7時から、昼は午後2時からそれぞれ神事に続いて仮設の舞殿で奉納される。28日は晴れて日中は夏の陽気になり、夜になっても半袖で過ごせるほど暖かかった。
参拝に訪れた人は拝殿に座ったり、境内から見上げたりして、次々と奉納される神楽をのんびりと見物していた。
多くの人が最後の演目の「杵樹」が終わるともちまきがあるのを知っていて、参拝者は尻上がりに増えた。「杵樹」で協賛者によるもちや菓子を舞殿に運ぶと、それまで遠巻きで見物していた子どもたち舞殿の近くに集まった。
準備万端、レジ袋を持参した人も多く、舞殿がもちが投げられるたびにもちに群がり、「こっち、こっち!」と自分の方に投げてもらおうとアピールしていた。
29日昼は中盤の「五穀散」と最後の「福神遊」、29日夜は後半の「宝剣作」の演目でもちをまく。また、29日昼はもちまきで未就学児用のスペースを設けるので、幼児の参拝も呼びかけている。