一般社団法人新潟県労働衛生医学協会(佐藤幸示会長・本部:新潟市中央区川岸町)が三条市上須頃で建設を進めていた健康診断と人間ドックの専門施設「県央健診スクエア」が14日(火)、オープンする。専門の資格のあるスタッフが検査し、オプションの検査も豊富。車で5分足らずの場所に3月1日にオープンした済生会新潟県央基幹病院との連携も期待され、県央地域の住民の医療環境がさらに充実する。
新潟県労働衛生医学協会は、1962年(昭和37)に発足した。故人の名誉会長は、労働基準監督所に勤務した経験から、とくに県央地域の洋食器工場などで働いている人が、体を悪くしていることが多いことを知っていた。
健診会場へ出掛けるのは工場のラインを止めるなど営業に支障が出て受診しにくい。それなら会社へ健診に出向くことで受診しやすい環境を整えようと、発足の翌年63年に燕事務所を開設したのが事業の始まりとなった。
これまで県央地域には、燕地区と吉田地区に健診センターを設置してきたが、いずれもそこで健診は行わず、巡回健診の拠点にしてきた。
これまでに設置した人間ドックや健診を行う施設は12を数える。ことし4月に新潟市西区北場に「スクエア」を冠した規模の大きな健康診断と人間ドックを実施する施設「新潟健診スクエア」をオープンした。「県央健診スクエア」は、それに次いで2施設目の「健診スクエア」となる。
三条防災ステーション近くに位置する。鉄骨コンクリート造3階建てで、塔屋を含めて延べ床面積約3100平方メートル、敷地約5500平方メートル。駐車台数職員用42台を含め155台を収容できる。
1階が健康診断フロア、2階が人間ドックフロア、3階が人間ドックリラックスフロア。利用者が気にすると思われるスペースは、男女別で切り分ける。木材や間接照明などリラックスできる空間を心がけた。半日の人間ドックの最後は、スクエアダイニングでランチ「すこやか弁当」を味わうことができる。
混雑状況を考慮して空いている検査へ受診者を誘導する「HosPad健診誘導支援システム」を県内で初めて導入した。受診者はシステムが印刷されたタブレットを持ち歩き、その指示に従って検査を受ければいいので、迷うことがない。おまけに待ち時間を電子書籍を読んだりゲームをしたりして過ごす機能も備えている。
健康診断と人間ドックを常設した施設だけに、設備は検査の種類は巡回検診と比べものにならない。健康診断は労働安全衛生法による法定健診Aコースが8,800円。加えてストレスチェック、予防接種、協会けんぽ生活習慣病予防検診、特殊健康診断、健康診断オプション、健診ぷらすなどがある。日帰り人間ドックコースは4万1,800円で、ほかにも脳ドックやさまざまなオプションを予定している。
人間ドックは、何日かたってから結果が届くのではなく、その日のうちに医師から総合診断の説明を聞き、専門スタッフから健康相談や指導を受け、結果をすぐに生活に生かすことができる。さらに精密検査が必要なら県央基幹病院を受診してもらうといった連携も期待される。
オープン当初は1日に健康診断100人、人間ドッグ50人の利用を想定。その後はそれぞれ150人、75人に対応する予定だ。
同施設では「体の悪いところを早期発見し、原因が病気だったり、生活習慣のの問題だったりを早く見つけ、大きな病気なる前に手を打つという予防の観点がある。ゆったりと楽しんで1、2時間で診察が終わるというのではなく、質にこだわった検査で差別化を図っていきたい」としている。詳しくは県央健診スクエア開設準備室(025-267-1200)へ。
また、10日行われた内覧会に出席した滝沢亮三条市長のコメントは次の通り。
【滝沢市長のコメント】
男女別フロア導入や待合ルームから各検査への移動を短くする工夫など、健診や人間ドックをリラックスして受けられる環境が整っていると感じました。
私たち三条市が実施する特定健診・がん健診のセット健診会場になっていますので、ご自身の健康のために選択肢として検討していただきたいです。